かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

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  1. このブログの作者,執筆方針,「かけ算の順序」への見解など
  2. 新しい『小学校学習指導要領解説算数編』関連
  3. 「×」の事例
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円周率に「比の値」

 いくつかの辞書で,円周率の説明に「比の値」を使用しています。次期学習指導要領では,「比の値」は小学6年の算数で学習する用語の一つとなっています。


 数日前のツイートで,比の値が意味不明というのを見かけました。探し直すと,容易に見つかりました。

 「比の値」のパターンマッチを試みるとすると,辞書による定義です。オンラインで読める2つの辞書で,「円周率」の説明に,この語を使用しています。

  • Weblio辞書三省堂 大辞林):「円周の直径に対する比の値。記号 π (パイ)で表す。その値は 3.141592… で超越数であることがリンデマンによって証明された。 」
  • コトバンク(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典):「平面上の円の円周と直径との比の値。すべての円で等しい。3.14のほか 22/7という数値がよく用いられる。(以下略)」

 「比の値」ではありませんが,wikipedia:円周率では「円周率(えんしゅうりつ)は、円の周長の直径に対する比率として定義される数学定数である」,goo辞書では「円周の、直径に対する比」と書かれています。
 次に,「比の値」とは何なのかを辞書から知るには,「比」を見ます.Weblio辞書には「a,bを同種の量とするとき,aがbの何倍かあるいは何分のいくつかに当たるか,という関係をaのbに対する比といい,a:bと書く。a/bをこの比の値という。」とあります。
 比の値については,メインブログで記事にしていました。比の順序問題 - わさっきです。そこで書かれた「比と比の値について,2:3=2/3(中略)とすることの批判を,Web上で見かけました」というのは,http://8254.teacup.com/kakezannojunjo/bbs/t21/2104より読むことができます。
 円周率と,比の値への批判を組み合わせると,こうなります。円周との直径との比が一定になるのはいいとして,この比の値は,「円周÷直径」でなくても,「直径÷円周」でもいいのではないか,と。
 とはいえ円周率の定義として「直径÷円周」を認めている文章を,見たことはありません。πを扱った数学の論文や読み物のほか,プログラミングの数学定数にも影響を及ぼします。
 ところで,算数において「どちらで割ってもよいが,一般にはこうする」というのは,比よりも前に学びます。「単位量当たりの大きさ」で,5年の学習事項です。現行では「混み具合」そして「人口密度」があり,学習指導要領の移行措置により2019年度からは,5年生も「速さ」を学習します。
 「混み具合」を(比較できるよう)一つの数とするには,「単位面積あたりの人数(人数÷面積)」のほか,「1人あたりの面積(面積÷人数)」でも求められます。単位面積あたりの人数が大きいというのは,1人あたりの面積が小さいことに相当し,「より混んでいる」となるわけです。その上で,人口密度については「単位面積あたりの人数」が採用されます。
 「速さ」も同様です。「単位時間あたりに移動する距離(距離÷時間)」のほか,「単位距離の移動に要する時間(時間÷距離)」も考えることができ,実際にわり算は行わなくとも,100メートル走などにおいて「タイムが短い」のが「速い」のは,「単位距離の移動に要する時間」だからです。単位時間あたりに移動する距離が大きいことと,単位距離の移動に要する時間が小さいことと,「より速い」がいずれも等価であるのを確認したのち,実用的な速さの式としては「距離÷時間」が用いられます。
 単位量当たりの大きさは「異種の二つの量の割合」です。それに対し円周率や,同じ大きさのコップで3杯と5杯の2種類の液体を混ぜ合わせて液体を作るといったシチュエーションは,同種の二つの量の割合(この語は学習指導要領に出てきませんが)です。どちらで割っても,その場限りで意味のある数値は得られますが,円周率は「どちらでもいい」というわけにいかず,「円周の直径に対する比の値」や「直径が円周の何倍になるかというわりあい」*1が採用されてきたというわけです。
 これからの算数での,「比の値」の扱いを知るには,次期の学習指導要領です。「解説」のつかない,小学校学習指導要領を読むには,次の2つの方法があります。本記事執筆時点で,PDFファイルのURLは「2018/05/07」を含んでおり,ゴールデンウィーク明けに大幅な刷新がなされました。

 いずれにも,第6学年の〔用語・記号〕に「比の値」が入っています。線対称・点対称などとともに,小学校で学習するというわけです。
 「比の値」とは何であるかは,『小学校学習指導要領解説算数編』によると以下のとおりです。a/bをa:bの比の値とすると,アプリオリに与えるのではなく,倍や割合などがその素地になっている点にも,注意をしたいところです。

 二つの数量の大きさを比較しその割合を表す場合に,どちらか一方を基準量とすることなく,簡単な整数などの組を用いて表す方法が比である。第5学年までに,倍や割合に関する指導,分数の指導,比例関係に関する指導などの中で,比の素地を指導してきている。第6学年では,これらの上に,a:bという比の表し方を指導する。比の相等(等しい比)及びそれらの意味を明らかにし,比について理解できるようにする。これに関連し,\frac{a}{b}をa:bの比の値ということや,比の値を用いると比の相等(等しい比)を確かめることができることを理解できるようにする。このようなことから,数量の関係を比で表したり,等しい比をつくったりすることができるようにする。

 比の値は,中学1年で比例式を扱うときにも使われます。『中学校学習指導要領解説数学編』には「2種類の液体A,Bを3:5の重さの比で混ぜる。B 150gに対して,Aを何g混ぜればよいか」を求める際に,Aをxグラム混ぜるとして,比例式3:5=x:150を立て,比の値を用いて\frac{3}{5}\frac{x}{150}とすれば一元一次方程式になり,xが求められるとしています。

*1:isbn:4095018054, p.83。

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割合モデルは淘汰されたのか~数直線モデルとの比較を通して考える

 吉田甫氏は2003年に出版した論文および著書において,「割合モデル」を提案しています。以下の図です([吉田・河野2003] p.113)。

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 しかし現在,このモデルが算数で活用されているようには見えません。論文・著書を現在の視点でとらえ直すと,このモデルは,淘汰されたとみなして差し支えなさそうです。割合モデルの利用の困難さを整理するとともに,小学5年の算数で学習する「割合」についての留意点を見ていくことにします。
 なお本記事は,先月27日にhttps://twitter.com/takehikom/status/989603261228302336より開始した一連のツイートを整理したものです。ツイートの内容から見解を変えたところもあります。


 吉田氏の著作として,読んだのは次の2つです。

  • [吉田2003] 吉田甫: 学力低下をどう克服するか―子どもの目線から考える, 新曜社 (2003).
  • [吉田・河野2003] 吉田甫, 河野康男: インフォーマルな知識を基にした教授介入:割合の概念の場合, 科学教育研究, Vol.27, No.2, pp.111-119 (2003). https://ci.nii.ac.jp/naid/110002705910

 一方の文献を指すときに「[吉田2003]」「[吉田・河野2003]」と表記します。なお,[吉田・河野2003]についてはJ-STAGEより論文PDFが無料でダウンロードできます。
 割合モデルの前に,「割合」と「公式」の語句が,算数教育で想定されているものと一部異なっていること,より踏み込んで言うと,学校での授業を通じて学ぶことから少し離れていることを,述べておきます。
 [吉田2003]のp.125で「割合の公式は(略)[割合=比べる量÷基にする量]」とし批判をしています。これを公式として,授業で活用してきたであろうことの判断は留保するとして,「公式」について,現在(そして当時も)の算数で,何を目指しているかは,明確に異なります。
 参照するのは,全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)です。算数は6年生の児童が4月に解答し,その出題内容は第5学年までの学習事項からとなっています。割合や,小数の乗法・除法の問題は,毎年出題されていますが,解説資料や報告書を読む限り,「割合=比べる量÷基にする量」などを「公式」としているわけではないのです。
 報告書に「公式」の文字があるのは,平成29年度の算数B大問1(3)のところです。そこでは学習指導要領に記載の「公式についての考え方を理解し,公式を用いること」を踏まえ,出題場面を「きまり」として説明することを出題しています*1
 [吉田2003]が出た当時の指導に関して,1999年発行の『小学校学習指導要領解説算数編』*2を見ると,第4学年の「公式」では以下のとおり書かれています。同じ趣旨の記述は、現行・次期の解説にも入っています。

 この学年では,具体的な数量の関係を公式の形にまとめるなど,数量の関係を式に表したり,その式をよんだり用いたりすることができるようにする。ここでの公式とは,ふつう公式と呼ばれるものに限らず,具体的な問題で,立式するときに自然に使っているような一般的な関係を言葉でまとめて式で表したものも指している。(以下略)

 ここまでについて,一つの見方はこうです。[吉田2003]が出されるより前から,「公式を覚えて適用すること」からの脱却が図られてきたのです。
 なお,[吉田2003] [吉田・河野2003]とも,対象とする「割合」が,百分率を用いた関係であり,例題の大部分が「部分と全体の関係」であることにも,注意が必要です。『小学校学習指導要領解説算数編』で読むことのできる事例や,全国学力テストの出題例では,しばしば,割合は百分率や「~倍」に限ることなく,「0.4m」をはじめ具体的な量(無次元量でないもの)に含まれています。


 それでは,吉田氏が提案してきた「割合モデル」の検討に入ります。「割合モデル」を再掲します。[吉田2003]ではp.162に載っています。

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 この図を単体で見たときに,戸惑いを感じました。「比べる量」が「基にする量」に,すっぽり収まっているのです。論文・著書のいずれにも,100%を超えてもよいことを書いていますが,それよりも気になるのは,左端が揃っていない点です。1年で学ぶ「長さの直接比較」,具体的には「一方の端を揃えることにより,反対側の端で長さの大小で比べることができる」と,適合しないのです。
 揃えていないと,例えば比べる量が,基にする量の「100%」という状態を描くときに少々難儀します。「比べる量」の網掛け部分を右に伸ばすとして,どこまででしょうか。基にする量と同じ長さにするよう,少しはみ出すのでしょうか。他の人がそれを見て,「100%」だと,思ってくれるでしょうか。
 上で「部分と全体の関係」と書きました。例えば[吉田2003]のp.127にある,「基にする量」「比べる量」「割合」を識別するための3つの文章題は,いずれも該当します。しかし,[吉田・河野2003]の事後テスト(p.114)に見られる,「さとる君の身長は,まさし君の身長の130%です」のような,一人の体にもう一人を入れるというのができない対象には、適用しにくいようにも見えます。
 他のモデルで,百分率を用いた割合の場面にも,そうでない小数のかけ算・わり算の場面にも,適用可能なものとして,「数直線モデル」があります。平成29年度の全国学力テスト出題例,および二重数直線の文章題への適用について,関心のある方は以下をご覧ください。

 その数直線は,「二重数直線」「比例数直線」「複線図」と呼ばれることもありますが(例えば,http://www.kyoiku-shuppan.co.jp/textbook/shou/sansu/files/1934/25/H27_suchokusen.pdf),全国学力テストや『小学校学習指導要領解説算数編』では単に「数直線」です。数直線モデル(の小数の乗除算や割合への適用)は事例が豊富で,『数学教育学研究ハンドブック』では第3章§2(演算の意味・手続き)で取り上げるとともに,数直線に関する1990年代後半の文献がいくつか,参考文献に記載されています。

数学教育学研究ハンドブック

数学教育学研究ハンドブック

 日本限定というわけではなく,以下の文献で,ある海外文献の図を取り上げています。

 そこには,二重数直線と同等のものも見られます。日本のスタイルでは,線を2本引きますが,その代わりに,1本の線の上下に,具体的な量と割合を記すというほか,「帯図」という名称で,帯グラフに基づく図にしています。いずれにおいても,「基にする量」と「比べる量」とで,左端を揃えています。一例として,p.166の図8を取り出しておきます。「40」「100%」などのコンピュータ生成の字体と,「24」「60%」「75%」などの手書きが混在していますが,数量の関係をとらえるのも,関係を式で表すのも,難しくありません。

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 日本に話を戻して,1本の線の上下に,具体的な量と割合を記すのは,中学受験のための算数や,小学校教師経験者が紹介する中にも見られます。2件にリンクしておきます。

 さて,[吉田・河野2003]は査読付きの論文となっているので,学術的な意義はあると言っていいのですが,追試する人が見当たらないのが残念なところです。
 実践に携わるところからの引用は,なされています。Webの検索により,以下の文献が見つかりました。[吉田・河野2003]を引用し,本文には「割合モデル」の図を見ることもできます。

 しかしいずれも「これまでに,割合モデルというのが提案されている」というとらえ方であり,そのモデルを用いて自分でも授業や評価を行ったわけではありません。例えば[山口2006]では,割合モデルの適用の難しさを述べたのち,それを修正したものとして「割合メーター」を提案し,授業で使用しています。

 割合を視覚から捉えさせ,イメージの手助けとするため,割合を図示化したものを用いることとする。
 その一つとして,吉田・河野(2003)の提案する割合モデル(図1)について述べたが,この割合モデルは,量としての割合を感覚的に捉えることはできるが,文章題において,問題文中の数量関係を割合として捉えることはできない。
 そこで,割合モデルに,もとにする量,比べられる量,割合の数値と,もとにする量に対応する1を書き加えた割合メーター(図2)を単元全体を通して使用することとする。
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 割合メーターもまた,二重数直線と同等と言わざるを得ません。
 上の引用のうち「文章題において,問題文中の数量関係を割合として捉えることはできない。」については,『数学教育学研究ハンドブック』第3章§2の記述とも関連します。この本のp.77では,数直線の教育的な役割を5項目挙げていますが,そのうち「③計算の仕方を導くことができる」は、割合モデルでは達成しにくいのです。数直線モデルなら,2つの量の間に矢印を入れて「×1.3」「÷0.6」などを書くことで,何は何の何倍かなどを図上で表現できます。
 淘汰の結果,数直線モデルが『小学校学習指導要領解説算数編』や,教科書や,全国学力テストに採用されてきたと,断言してよいのかは,分かりませんが,[吉田2003]および[吉田・河野2003]のいずれにおいても,数直線モデルと比較した跡が見られず,逆に『数学教育学研究ハンドブック』の第3章§2に加えて§4(量と測定・割合)にて,吉田氏の著書・論文が引用されていないのは,今回調べてみて気になったところです。
 数直線モデルとの比較に関して,[吉田2003]のp.126に描かれた絵を見ておきます。

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 「比べる量」「基にする量」「割合」を吹き出しにして困っている子どもと,帯図が描かれています。この帯図も,二重数直線と見なしてほぼよいのですが,算数で使われてきた二重数直線と1点,違いがあります。「1」(百分率については「100%」)がどこになるかが,明示されていないのです。
 「1」の欠落は,[吉田2003]および[吉田・河野2003]より前に検討され実践されてきた数直線モデルについて,関心が払われていなかった状況証拠であると,見なすことができます。そして「比べる量」「基にする量」「割合」の3つで関係をとらえるのは,[Nesher 1992](http://books.google.co.jp/books?id=Vyl42R9JV1oC&pg=PA189)で述べられている"three-place relation"であると,解釈することもできます。そこに「1」を入れれば,"four-place relation"であり,二重数直線はこちらに属します。昨年,速さに関して取り上げました。

 査読付き論文になったモデルを批判するのが,楽しいわけではありません。提案されたモデルはどのような対象に適用できる(できない)だろうか,そのモデルは何に基づいているのか,その後どのように活用されているのか(いないのか)に関心があり,まずはツイートを行い,さらに得た情報をもとに,この記事にしてきました。


 割合と別に(ただし密接に関係するのですが),[吉田2003]のp.69で「一般には等分除より包含除のほうがかなり困難な課題である」と書かれているのを見て驚きました。この文に関しては,出典が見当たらず,この本以外で個人的に読んできた見解と逆でした。参照可能なものを,箇条書きにしておきます。

  • 高橋裕樹: 比の三用法を伴う小数の乗法及び除法における子どもの知識の構成過程について, 上越数学教育研究, No.18, pp.101-110 (2003). http://www.juen.ac.jp/math/journal/files/vol18/takahashi-y2003.pdf
    • 「Takahashi et al. (1993)は,整数の除法の理解についての調査を実施し,包含除よりも等分除の理解が困難であることを統計的に示した。整数の等分除の難しさは,分けるための単位がその場面に示されていないところにある(熊谷, 1998)。」
  • 佐藤俊太郎: 子どもにおける除法概念の発達について, 福島大学教育実践研究紀要, No.4, pp.101-110 (1983). http://hdl.handle.net/10270/1758
    • 「包含除の方が等分除よりも易しい」
  • Anghileri, J. and Johnson, D. C.: "Arithmetic Operations on Whole Numbers: Multiplication and Division", Teaching Mathematics in Grades K-8, Longman Higher Education, Allyn and Bacon, pp.146-189 (1988). asin:0205110762
    • 「Zweng (1964) found that children can understand the "measurement" (repeated subtraction) concept of division more readily than the "partition" (sharing) concept.」
  • Zweng, M. J.: "Division problems and the concept of rate: A study of the performance of second-grade children on four kinds of division problems", The Arithmetic Teacher, Vol.11, No.8, pp.547-556 (1964).
    • 「measurement problems were found to be easier for children than partitive problems」

 吉田氏の等分除・包含除の解説,ひいては[吉田2003]そのものを,否定したいというわけではないのですが,1冊の記載内容を鵜呑みにするわけにはいかないなというのを、「一般には等分除より包含除のほうがかなり困難な課題である」の文から感じたのでした。

*1:正答例は「カードの差に9をかけると,2けたのひき算の答えになります」であり,式ではありません。これは「このきまりを,言葉と数を使って書きましょう」という出題だからで,式にするなら「カードの差×9=2けたのひき算の答え」と表せます。「2」から始まる言葉の式は都合が悪いので,避けたのでしょうか。

*2:isbn:4491015503

9年ぶりに改訂された本での,かけ算の順序問題

入門算数学 第3版

入門算数学 第3版

 奥付を見ると,「2003年7月10日 第1版第1刷発行」「2009年2月25日 第2版第1刷発行」「2018年3月30日 第1版第1刷発行」となっていました。
 算数の実情と今後を把握するには,p.209からはじまる§7.2(現在の算数教育)以降がおすすめです。2017年の学習指導要領より,小学校算数科・中学校数学科で学ぶべきことが抜粋されている*1ほか,§7.4(数学的リテラシー)では,PISA全国学力・学習状況調査のB問題を何問か取り上げながら,望まれる数学的リテラシーについて記してあります。
 とはいえ本書のそれまでのところ,特に第2章(四則演算について)と第3章(量について)は,数学教育協議会のスタイルを採用しています。かけ算は§2.4で,p.40から始まりますが,2×0や3×0.7を持ち出して累加を批判し,「かけ算はたし算と異なった新しい演算(積)であることを認識しておくことが必要である.」の文で最初の段落を終えています。
 加法および乗法の交換法則・結合法則・分配法則について記載した§2.6(四則演算の性質)で,「順序」の文字と,かけ算の順序問題を見かけました(pp.53-54)。

(略)つまり,結合法則によって,どんな順序で計算しても同じ答えになることが保証されているのである.
 また,かけ算で3×5の答えを忘れても,5×3の答えを知っていれば,交換法則を用いて求めることができる.
 しかし,ここで注意しなければならないのは,これらの法則はあくまでも数という抽象的なことに対して成り立つということである.数の計算としては
  3×5=5×3
が成り立ったとしても,
  3(個/人)×5(人)  と  5(個/人)×3(人)
では意味が違ってくるのである.
 あめを1人に3個ずつ5人に配ったときのあめの個数を「5×3」とテストで書いたら不正解になった.かけ算は乗数と被乗数を入れ替えても成立するので,これも正解ではないか,ということがテレビで話題になった.
 大人からすれば,確かに3×5と5×3の答えが15で同じことはわかっている.しかし,子どもは単なる計算の技術を学んでいるわけではなく,文章から意味を理解して,計算に持ち込むという算数的なプロセスを学習しているところである.この場合は,問題文からどれが「1あたり量」になるかが大切なことである.このことは単位を書かずに計算式だけを書くということから起きてくることである.計算式を書く前に,単位をつけた言葉の式を書くように指導すれば,3×5と5×3を子どもたちがどのように理解して書いたのかがわかり,先ほどの疑問は起きてこないのではないか.

 「あめ」の件には,違和感があります。「あめを1人に3個ずつ5人に配ったときのあめの個数は?」(2~3年生向けに言葉や漢字を変更することとして)を問えば,学校でかけ算をきちんと学んで理解している子どもたちも,とりあえず教わったという子どもたちも,「3×5」という式を立てることが予想できます。
 2種類の理解度を区別するには,例えば「あめを5人に3個ずつ配ったときのあめの個数は?」と問うべきです。きちんと学んで理解している子どもたちは(そして上記引用から読み取れる著者の期待としては)「3×5」,とりあえず教わったという子どもたちは「5×3」と立てることになるだろう,というわけです。
 この本の外で,関連する情報をいくつか挙げておきます。「5人に3個ずつ」の出題事例については,かけ算の順序を問う問題 - わさっきで整理を試みています。2017年にPDFで公開された『小学校学習指導要領解説算数編』にも,「4皿に3個ずつみかんが乗っている」の形で記載があります。
 「1人に3個ずつ5人に」の形と「5人に3個ずつ」の形の文章題の両方に答えさせ,分析を試みている研究は,https://ci.nii.ac.jp/naid/40016569351より公表されています(本文の電子版はありませんが)。2008年のことです。
 「かけ算の順序」を批判する立場の人々が,文章題を例示したのはいいけれど後に訂正することになった,というのを2例,把握しています。メインブログと当ブログで1つずつ,記事にしています。

 「かけ算の順序」やそれに類する語を使用することなく,小学校の教育の状況や,望ましい理解のあり方を語る中で,文章題の例示が適切でないのを見たのは,今回が初めてでした。「テレビで話題になった」の裏取り*2を著者・編集者がしていればと思うと残念な気持ちです。

*1:是認するだけでなく,p.214では「ただし,小学校算数の区分で量というのが見えなくなってしまったのは,算数科のなかで数学化する以前の重要な段階であり懸念される.」として批判も入れています。

*2:とはいっても,放映された番組や放送局,日付を本に記載せよ,と要求するわけにもいきません。書かれても検証が困難ですので。

自然数の意味と活用について

 この中で「(3)「自然数の意味」-悪問中の悪問-」と題して,全国学力・学習状況調査の2016年度 数学Aで,以下の問題が出されたことを批判しています。

(2) 下のアからオまでの数の中から自然数をすべて選びなさい。
  ア -5
  イ 0
  ウ 1
  エ 2.5
  オ 4

 趣旨や,解答類型と反応率の画像が貼り付けられており,「ウ,オ」の正答が41.4%,そして0を含めており誤答扱いの「イ,ウ,オ」が32.0%となっています。
 ここまでについて,0を自然数に入れる定義や活用の仕方も,中学高校を離れた数学ではそれなりにあるので,中学校の教科書ではいずれも0を自然数に含めておらず,そのことを学び理解が定着しているかを,全国学力テストにて出題し,0を自然数に含めて考える生徒がそれなりにいたんだなと,認識していました。
 当該ブログの記述で戸惑いを覚えたのは,主に2つあります。一つは「しかし,学問としての数学では」から始まる段落です。以下「学問としての数学」の言葉を何度か使用します。
 もう一つは,そのまま引用します。

何より気になるのは,問題の趣旨が「自然数の意味を理解しているかどうかをみる」だということです。
自然数の意味を理解する」・・・・真面目に考えると,「自然数の意味を理解する」とはどういう状態を指すのでしょうか・・・・

 このうち「~の意味」は,算数・数学の授業や学力調査でしばしば見かけるもので,「~とは何か*1」「~を,類似する別の概念や用語と区別でき(てい)るか」を表します。
 それで,出題意図を確認しておこうと思い,解説資料を読み直しました。国立教育政策研究所のサイトで,以下の順に進めばアクセスできます。

 数学A大問1(2)を読むと,ブログの批判で欠落している,主要な記述が浮かび上がってきました。
 具体的には,趣旨・解答類型と反応率・分析結果と課題のあとの「学習指導に当たって」です。「数の集合を捉え直し,自然数や整数の意味を理解できるようにする」が太字になっています。
 となると,「自然数とは何か? 整数とは何か? それらはどのように違うのか? 教科書や授業では,どのように取り扱われているのか?」という疑問を持つことができます。
 自然数と整数との違いは,数行あとに記されています。段落全体を抜き出すと,「本設問を使って授業を行う際には,新しく捉え直した数の集合の定義に基づいて,様々な数の中から自然数や整数を判断する活動を取り入れることが考えられる。その際,0は整数に含まれるが,自然数には含まれないことを確認することが必要である。」のところです。
 なお,「新しく捉え直した数の集合」について,文脈から「自然数」と「整数」が挙げられますが,そもそも小学校の算数における「整数」は0,1,2,…,と書くことができ,「学問としての数学」の「自然数」と同じ集合になります。中学数学で負の数の概念を学ぶ際に,整数は…,-2,-1,0,1,2,…に置き換わり,「正の数」「負の数」「0」のいずれかに分類されます。これが「捉え直し」です。正の整数を自然数と呼ぶのか,学問としての数学の自然数を扱う(0を自然数に含めて考える)かは,捉え直しの枠外となります。
 そうすると,小学校の算数における「整数」と,「学問としての数学」の「自然数」とが,集合として一致することになります。たまたまと見ることもできますが,一致していることを踏まえた自然数の活用例も考えられます。
 具体的には「整列集合」です。wikipedia:整列集合では,定義などのあと,自然数の全体Nについて,0を含むものとして取り扱っています。整列集合の性質として,「任意の狭義単調減少列は必ず有限な長さで停止する」というのがあります。
 小学生向けには,「おはじき取りのゲーム」で表現できます。多数のおはじきを用意し,2人で順番を決めて取っていき,最後に取ったほうが負けとなります。1回で取れる数には上限と下限があり,しばしばnを定数として「1個以上n個まで」と表せます。0を入れると,パスとなり,2人ともパスをするとゲームが進まないので不可とされます*2。1個以上取る,言い換えると進行につれて場に置かれた残数は減っていきまして,最終的にはどちらがが最後の1個を取ってゲームセットです。n=2(1回に取れるのは1個か2個)とし,7個から始めると,7→6→4→2→1→0と減るような状況が想定でき,不等号を用いて7>6>4>2>1>0と表すこともできます。
 場にあるおはじきの数(のとり得る値の集合)もまた,整列集合であり,「任意の狭義単調減少列は必ず有限な長さで停止する」ことが保証されています。
 現行および次期の『中学校学習指導要領解説数学編』も読んでおきます。自然数は0を含まないものとするといった断定は見当たらなかったものの,「小学校算数科では整数を0と自然数の集合として用いてきたが,中学校数学科では同じ用語を正の数と負の数を含む数学の概念として用いることになる」から,含まないことが読み取れます。自然数の活用という観点では,「2x+y=7の解については,変数x,yの変域が自然数全体の集合であれば,その解は有限個であり,(1,5),(2,3),(3,1)である」も共通して出現しますが,0を含めるなら解に(0,7)を加えるだけです。「十の位が同じで一の位の数の和が10である2桁の自然数の積を暗算で計算する方法」などの速算法(簡便算)は,現行のみですが,難しかった,あるいはデータの活用に「食われて」しまったのでしょうか。

*1:英語で表すと“what X means”です。“What does X means?”と,疑問文にもできます。2016年度と2018年度とで,「証明の必要性と意味」に関する出題があり,2018年度のほうでは「それが証明になっているのか」を問うています。

*2:取る個数を「n以下の自然数」と表記するのは,「不自然」だと思います。

平成30年度全国学力・学習状況調査の【かけられる数】

 ツイッターのタイムラインを通じて,批判的な立場からの掲示板でのやりとりを,http://8254.teacup.com/kakezannojunjo/bbs/t21/2917-2919*1で知ることができました。
 3つの投稿のうち最も古い,2917では,小算B-14というページ数を示して,「九九の表の横に【かけられる数】とか書いてありますね。学習指導要領解説にすら出てこない言葉なんですが、生徒は知ってないといけないのですかね?」と疑問を投げかけています。ですがそこには,教科書をはじめ,既存の情報をチェックしようとする態度がうかがえません。
 Webで読めるところでは,啓林館の九九表|算数用語集に,今回の出題と同じく,「かけられる数」が表の左に,「かける数」が上に記された九九の表を見ることができます。また,Googleで検索し,画像をざっと見た限りでは,かけられる数・かける数を書く場合にはどれも同じで,「かけられる数」が左*2,「かける数」が上です。ただしそれらを書かない九九の表も,多くヒットします。
 さらに驚かされるのは「かけられる数が,学習指導要領解説にすら出てこない言葉」だという指摘です。
 パターンマッチングに,失敗しています。小学校学習指導要領や,小学校学習指導要領解説算数編を読む際には,かけられる数は「被乗数」,かける数は「乗数」に切り替えるだけの話です。
 現行の指導要領(解説のつかないほう)の算数を,見ていきます。http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/san.htmにアクセスし,ページ内を検索すると,「被乗数」は1回,「乗数」は(「被乗数」を含め)9回出現するのが分かります。
 第2学年の「内容の「A数と計算」の(3)のイについては,乗数が1ずつ増えるときの積の増え方や交換法則を取り扱うものとする。」では,「被乗数」が明記されていませんが,ここから「乗数が1増えれば積は被乗数分だけ増える」と推論すること,2年生向けには「かける数が1ふえれば,かけ算の答えはかけられる数だけふえます」と表現することは,きわめて容易なことです。そしてこの性質は,九九で例えば「6×6=36」の次が「6×7=42」であるのはなぜなのかを,九九の表以外を根拠として答えることに使えますし,学年が上がって「乗数が1減れば積は被乗数分だけ減る」を学ぶことで,乗数が0のとき,積が0になるのがなぜかを説明するのにも活用できます。
 学習指導要領で,被乗数(かけられる数)が明示されていないものの考慮されている事項は,高学年にも見られます。第4学年の「乗数や除数が整数である場合の小数の乗法及び除法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。」です*3。被乗数を入れて同じ趣旨にするなら,「被乗数や被除数が小数であり,乗数や除数が整数である場合の乗法及び除法(以下略)」となります。これも累加で考えることができ*4,累加が利用できない,第5学年の「乗数が小数である場合の乗法」より前に,式で表したり計算したりできるわけです。
 掲示板の他の投稿にも,出題意図が読めているのか疑わしいものが見られます。2918の「二重数直線を書かせる問題」や「ナントカ図」について,児童らに書かせていませんし,その図の名称を知らなくても,図より前に文章で書かれた数量の関係を,きちんと認識していれば,正解を選択することができます。
 「式を答えさせるのが気になる」は,当方も気になったところで,過去の全国学力・学習状況調査の算数Aより,式を答えて,解答となる数量は不要という出題を,調査してみました。実施の初年度からあったわけではなく,調べた限り最も古いのは,平成24年度(2012年度)実施の大問3でした。「赤いテープの長さは120cmです。赤いテープの長さは,白いテープの長さの0.6倍です。」を箱で囲み,小問(1)で,赤いテープと白いテープの長さの関係を正しく表している図を,4つの中から選ばせてから,小問(2)で「白いテープの長さを求める式を書きましょう。ただし,計算の答えを書く必要はありません。」と指示しています。
 自分が小学生のときは,文章題といえば式を書いて,それから答えを単位付きで書くのが当たり前だったように思います。それに対し全国学力テストでは,図が用意され,解答欄には単位などが印刷済みで,子どもたちは記号・番号や数だけを書けばよいようになっていたりします。どちらがよいというのではなく,約百万人*5の6年生が解答する,この学力調査において,何を調査したいのかがそこに現れていると,個人的には理解しています。単位に関しては,テスト設計に際して子どもたちの反応を適切に分類・分析できるよう検討する段階で,「数は合っているが単位が間違っている」という類型を必要としていない,ということです。


 かけ算の「~の段」について,メインブログで2016年に記事を書き,いくつか文献を挙げていました。

*1:本記事投稿後も増えると思われます。http://8254.teacup.com/kakezannojunjo/bbs/t21/l50で,最新50件を読むことができます。

*2:「かけられる数」を,「基準量」に置き換えると,リーグ表(対戦表)はそれぞれの行を基準として,他のチーム(列)との勝敗を記載するのが一般的であることと関連します。

*3:第5学年では「小数」が「分数」に置き換わった項目もありますが,次期の指導要領ではこれは第6学年での学習となります。

*4:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20111205/1323022926より,ある海外文献の私訳を抜粋:3人の子どもが4.2リットルずつのオレンジジュースを持っているという場面にも適用できる.式は4.2+4.2+4.2と表せる.このモデル(累加モデル)に属する場面の,重要な特徴は,乗数が整数でなければならないことである.被乗数に制約はない.さらに,このモデルでは,結果が常に被乗数よりも大きくなることを含んでいる.

*5:平成29年度は,当日の児童数が1,012,581人,平成28年度は1,034,957人と報告されています。

東京新聞「日本の算数・数学 大丈夫?」を取り上げたブログ記事

 いくつか検索語を与えて,上位に出てきた記事です。いずれも,小学校教師ではなさそうです。自分の教えている範囲で,あるいは地域や日本全体で,小学校算数で「割合」「速さ」を学んだり,問題を解いたりする中で,「はじき」「くもわ」がどのくらい使われているかを,知ることもできません。筑波の算数の「算数授業研究」あたりでそのうち,「『はじき』『くもわ』が新聞記事になったが…」とマクラに使われながら,小学校であるべき/なされてきた,「割合」「速さ」の指導が文章になるのかなとも思います。
 ところで,上に並べたうち最後の記事には,「弟は、家から学校に毎分120mの速さで出発し、兄は忘れ物を届けるために10分後に家を出発し、毎分200mの速さで追いかけた。兄が弟に追いつくのは兄が出発して何分後か、求めなさい。」という問題をもとに,はじき図をそのまま使えますかと疑問を投げかけています。
 なのですがこの問題は,「速さ×時間=距離」と,中学1年の「文字を用いた式」「一元一次方程式」を用いれば答えが求められます。具体的には,兄が出発してx分後に追いつくとしたとき,120(10+x)=200xと表せます。わり算も,「はじき」も不要なのが,意図*2されています。
 それと,この「弟は…」の問題は「旅人算」として中学受験で知られており,例題や解き方などを,wikipedia:旅人算より見ることができます。小学校の算数の解き方と,中学校の数学の解き方との違いを知る機会*3ともなりまして,結局のところ,「はじき」で解けない(解くことが困難)という主張に旅人算を持ち出すのはミスリードということです.
 この問題にせよ,東京新聞記事中の「15分間で30キロメートル進んだ時の時速は」「2億円は50億円の何%にあたるか」にせよ,間違えやすい問題であり,特定の解き方しか知らない子には手も足も出ないと言うための例示である一方,では実際にどのくらいの児童・生徒が正解にたどり着いているのかについては,情報を得られそうにありません。
 速さに関しては,東京都算数教育研究会の学力調査で,問題文と正答率,指導にあたっての注意などが公開されています。問題文は以下のとおりです。

2時間で240km進むA列車と、3時間で420km進むB列車があります。
(1) A列車の時速を求めましょう。
(2) この2つの列車が同時に同じ方向に走り出したとすると、5時間後に進んだ道のりのちがいは、何kmになりますか。

 http://tosanken.main.jp/data/H28/gakuryokuzittaityousa/h27jittaityousa_kousatu_6nen.pdf#page=2より読むことができます。平成27年度の調査人員(解答者数)は64,398人で,「はじき」の適用で解くことのできる(1)の正答率は91%,「はじき」では困難で,旅人算と同様の数量関係の把握を必要とする,(2)の正答率は77%となっています。他の出題と比較して,まずまずの出来ではないでしょうか。


 東京新聞の記事の末尾,「デスクメモ」の中に「足し算の文章題」のことが書かれています。メインブログから,過去のやりとりを見直すと,2012年に盛り上がっていました。

 次に盛り上がったのは2015年です。

 書籍や論文を通じて知ることのできる,海外の算数教育や授業でも,a+bとb+a,a×bとb×aの対比が試みられており,答えは同じでも意味は違うことを重視しているのを,以下にて整理しました。

*1:東京新聞記事の本文も書かれていますが,デスクメモにいくつか誤記が見られ,手打ちではないかと思われます。

*2:「速さ×時間」に基づく,小学算数のかけ算の式を,中学数学の文字式にする際には,「×」を取り除くだけでよく,左右をひっくり返すことをしていません。これも,混乱を生じさせないことに寄与します。左右をひっくり返す事例については,http://takexikom.hatenadiary.jp/entry/2017/06/25/050555をご覧ください。

*3:鶴亀算の,小学算数・中学数学の比較は,中山理『算数再入門』isbn:9784121019424より読むことができます。