かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

確率論的安全評価

寝坊の発生頻度の求め方ですが、起因事象の発生頻度に、各寝坊防止策が失敗する確率を掛けることで算出します。今回の例ですと、夜更かしの発生頻度(100回/年)×目覚まし時計が鳴らない確率(0.103)×母親に起こしてもらえない(0.2)×父親に起こしてもらえない(0.5)=1.03回/年となります。

http://www.tepsys.co.jp/engineering/psa/09_01.html

式は,100×0.103×0.2×0.5=1.03です.
よく見ると,「母親に起こしてもらえない(0.2)」は,「目覚まし時計が鳴らないときに,母親に起こしてもらえない確率」であり,条件付き確率です.「父親に起こしてもらえない(0.5)」のほうは,「目覚まし時計が鳴らず,母親に起こしてもらえないときに,父親に起こしてもらえない確率」です.
したがって,もし,100×0.103×0.5×0.2=1.03と書かれていたら,違和感が生じることになります*1
ところで引用したサイトを見つけたきっかけは,スラッシュドット・ジャパンのあるストーリーです.PSAという言葉が何度か出ていたので,調べてたどりつきました.

*1:0.5×0.2×1.03×100=1.03という式は,違和感が減ります.wikipedia:条件付き確率では,「P(A∩B)=P(A|B)P(B)」と,条件付き確率のほうを左に置いた,かけ算の式で表記しています.