かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

頭の良い人ほど騙される!? かけ算の順番問題

あーこれって,多湖輝の『頭の体操』の,何巻だっけかにあったやつ.…

あーこの種の詐欺も,聞いたことはあるなあ.…

おおっと.

ときどき、算数の世界では「かけ算の順番問題」が保護者や教育者のあいだで話題になり、先日もツイッターのタイムラインを賑わせた。しかし、あまり数字の順番や単位の位置にばかり囚われすぎると、もっと重要なことを見落としてしまわないだろうか。杞憂かもしれないけれど、筆者は少しだけ心配をしている。

こんなところに,「かけ算の順番問題」とやらが.
この段落と,記事冒頭の

1万円×3人=合計3万円

という式を結びつけるとしましょう.
なぜ合計(かけ算の答え)が「3万円」であって,「3万人」でも「3万円人」でもないのか…
「=合計3万円」がなくても,かけ算の答えは「3万円」であって,「3万人」でも「3万円人」でもないと言っていいか,読み手は誤解しないか…
とっても重要なことのように,思います.*1

*1:「何の何倍」というタイプのかけ算だからですね.「1万円」がかけられる数なのに対して,「3人」はかける数で「3倍」に変換されます.これは日本独自というわけではなく,Greerという人も,"3 children have 4 cookies each. How many cookies do they have altogether?"に対して"Within this conceptualization, the two numbers play clearly different roles. The number of children is the multiplier that operates on the number of cookies, the multiplicand, to produce the answer."と書いています.この中で,"multiplicand"がかけられる数,"multiplier"がかける数です.