かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

イタリアの土産やさんの「×」

現在,パリのシャルル・ド・ゴール空港にいます.イタリアで用務を終え,帰路についています.現地時間で28日(金)の晩10時過ぎです.上海・浦東国際空港を経由して,関空に入る予定です.
イタリアでも,いろいろなところで「×」を見かけましたが,広告の「3×2」を除き,

  • 物品の個数の書き方は,「物品×数」「数×物品」ともに見かけました.
  • 数量の書き方は,「一つ分の大きさ×いくつ分」「いくつ分×一つ分の大きさ」ともに見かけました.
  • 「×数」であれ「数×」であれ,「×いくつ分」であれその逆であれ,乗数にあたるものには単位が付いていませんでした.「一つ分の大きさ」の方には単位が付いていたので,それにより,被乗数と乗数が区別できます.
  • 「物×物」,すなわち数えられないものどうしをかけるという事例は,見つかりませんでした.
海外の「×」 - 「×」から学ぶこと

は特に変わりませんでした.
なのですが,ローマの観光地,コロッセオ周辺の出店では,「1×3€」「2×5€」「5×10€」といった表記を相当な数,見かけました.
順に「1個で3€」「2個で5€」「5個で10€」の意味です.
単価が3€,5€,10€なのではなく,それぞれの個数を買うときの価格(いわば総額)が3€,5€,10€というわけです.
一つの看板に,縦並びまたは横並びで,表示されていました.「一つ分の大きさ×いくつ分」とは,明らかに異なる見せ方です.
個数と金額は,売るものによっていろいろで,例えばポストカードなんかだったら,「1×0,2€」と「12×2,0€」をよく見かけました.「1枚だと0.2€,12枚だと2€」と読めばよさそうです.
この表記では,×の左が常に点数(個数・枚数),右が支払額です*1.「€」は,数の右にあったのと左にあったのとで,おおよそ3:1くらいの比でした.1軒だけ,「3×10€」のうち「×10」が,その前後と違う色になっていました.

*1:フランスでは,ノートルダム寺院周辺を少し散策した程度ですが,「1=4€」「3=10€」をはじめ,“点数=総額”という表記ばかりでした.