世界一の学力がつくシンガポール式算数ドリル 小学1〜6年: 「バーモデル」で文章題にとことん強くなる!
- 作者: 田嶋麻里江,國枝浩
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2013/05/24
- メディア: ハードカバー
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テープ図に似ていますが,「1ユニット」でバーを積極的に分割している点が,特色となっています.
かけ算の式を見ていくと,そこには無頓着と思ってよさそうです.ある問題*1の解答の中に,「18枚×8ユニット=144枚」と「144枚×10セント=1440セント」がありました(p.54).
「GEP問題」の1問に,興味を覚えました.シンガポールの小学3年時に実施されるテストにGEPテストというのがあり,それに合格すれば,4年生から特別クラスで英才教育を受けられます.合格者数は,一次テスト・二次テストを通った成績上位500人のみとのこと(p.49, p.51).
興味を覚えた問題は:
問題4
2、3、4、5、6、7、8の合計7枚の数字カードがあります。
リトヴィックは、この中から2枚ずつ3回抜き取り、2枚のカードの合計が、
1回目は9、2回目が11、3回目が12となりました。
残った1枚のカードの数字はいくつですか?
(p.49)
次のページには,「と仮定した場合」「になる可能性はない」を2回ずつ含む,ずいぶんと論理的なプロセスで解答が書かれています.
しかし2枚ずつ抜き取ったら戻さないことに注意すれば,残った1枚のカード,そして各回で抜き取ったカードの組み合わせは,簡単に求められます.
残った1枚のカードは,(2+3+4+5+6+7+8)−(9+11+12)=5×7−32=35−32=3です.
答えとしては「3」でおしまいですが,念のため,各回の組み合わせも求めておきます.「2回目が11,3回目が12」に着目すると,2の数字カードはそれらに入らない*2ので,1回目に抜き取られます.9−2=7で,7も1回目です.
残りは4,5,6,8の4枚です.「3回目が12」となるためには,ここに8が必要です*3.12−8=4で,3回目のもう1枚は4.残った5と6は,5+6=11なので,「2回目が11」の条件を満たします.
整理すると,「1回目は2と7,2回目は5と6,3回目は4と8をそれぞれ抜き取っており,残った1枚のカードの数字は3」です.
本の解答は冗長に見えたけれど,よりエレガントだと思った方法を書き出してみると,それなりの字数が必要になりました….