かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

12mm×4.5m

このあいだ,ある自動車のプレス工場を見学したが,鉄板のサイズを表わすのに“cm×cm×cm”という書き方を使っていた。また,セロテープを買ったら,箱には12mm×4.5mと書いてあった。これは“幅12mm,長さ4.5m”などと書くよりずっとわかりよい。1㎠×2×3などとあくまでがんばるガンコ派は,世の中の進歩から取り残されるほかはない。子どもがわからないのではない。教えるほうがわからないのである。乗法はあくまで加法のくりかえしだと考えるガンコな見方に固執しておれば,×\frac45cmなどはとほうもないものだろう。
(『遠山啓著作集数学教育論シリーズ 5 量とはなにか 1 (1978年)』p.147)

「量の分数」からの一節で,巻末によると初出は1959年の『数学教室』とのこと.
去年,配管の表記を見かけて記事にしました.80A×5.5です.
「×」の左に書かれるものは,異なりますが,右に書かれるものは,長さで共通しています.
言葉にしてみても,「幅12mmで,長さが4.5m」のほうが「長さ4.5mで,幅が12mm」よりも,そして「呼び径80Aで,長さは5.5m」のほうが「長さは5.5mで,呼び径80A」よりも,自然に聞こえるというのは,一体どういうことなのでしょうか.


本日の記事は,1970年代の乗法構造(1)―遠山啓,総量=内包量×容量 - わさっきとの連携企画です.

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