かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

個×個=個

経緯のうち,主要なところを:

ここまで読んで,□の並びに関して,りんごの個数と長方形の面積でそれぞれどう表されるかが確認できるような,GIFアニメーションを試作しました.昨年,平方個でつくった絵を手直ししています.

図にしてから,面積と,りんごのかけ算の定義を考えてみました.定義というよりは表記法です.長方形(正方形を含む)の面積に関しては,

  • 縦の長さが1cm,横の長さが1cmの正方形の面積を,1cm×1cm=1㎠で表す

と定義します.そして,長方形の面積(右辺)が,縦の長さと横の長さにそれぞれ比例することを確認すれば*1,縦の長さがa cm,横の長さがb cmの長方形の面積は,a cm×b cm=ab ㎠となります.
りんごについては,アレイ(長方形的配列)に並べた上で,

  • 縦1個,横1個からなるりんごの並びの総数を,1個×1個=1個で表す

と定義します.その総数(右辺)が,縦の数と横の数にそれぞれ比例することを確認すれば,縦にa個,横にb個並べた林檎の総数は,a個×b個=ab個となります.
ここまで「個×個=個²」を用いておりませんし,私自身はその式よりも,「個×個=個」に賛同します.
なお,「1個×1個=1個」や「a個×b個=ab個」を認める根拠となるのは,直積(デカルト積)の濃度です.有限集合Aの要素数を|A|で表し,|A|=a,|B|=bならば,|A×B|=|A|×|B|=abです.|A|,|B|,|A×B|は純粋な数ですが,「要素の数」という直感的な見方を採用すると,ここに「個×個=個」が含まれていることになります.
あとは余談です.長さ・面積・個数とかけ算に配慮して,違いを探ると,以下の箇所が注目に値します.



面積計算においては,「3cm」と「3㎠」を区別しないといけませんし,そのことは図により視覚化もできます.しかし,りんごに置き換えたとき,「1個」と「1個×1個」が等価となるため,「3個」を1個の3倍に対応づけたあと,3cmに対応するものが,見つからないのです.
これは,「量」に着目した上での,アレイと,長方形の面積との違いになっているように思います.

*1:あとでもう1回,同じ表現をとっていますが,2つとも,要証明であり,本日の関心外です.

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