かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

希望出生率は{(34%×2.07人)+(66%×89%×2.12人)}×0.938≒1.8

記事には「希望出生率の計算式」の画像も載っています.
記事の中の用語で検索すると,この式が載っている,PDFファイルを見つけました.

式は2ページ目です.言葉の式は

「希望出生率」=
{既婚者割合×夫婦の予定子ども数+
 未婚者割合×未婚結婚希望割合×理想子ども数}
 ×離別等効果

となっており,そこに数値を当てはめたのが「{(34%×2.07人)+(66%×89%×2.12人)}×0.938≒1.8」とのこと.
気になったのは,式には「子ども数」や「〜人」と,人数を表す量があり,それが特にわり算されていないにも関わらず,結果は希望出生「率」となっていて,割合であるように見える点です.
すでに算出・報道されている,出生率との比較のために使いたいから,でしょうか.
さらに調べまして,出生率というと,通常,人口1000人あたりにおける出生数を指すこと,また2を切っただとか最近少し上がっただとで報道のなされる出生率は「合計特殊出生率」と呼ばれることを知りました.wikipedia:出生率wikipedia:合計特殊出生率でまとめられているほか,出生率 - 少子化対策 - 内閣府にも,「合計特殊出生率を見ると」と書かれています.
合計特殊出生率の定義をもとに,希望出生率に立ち返ると,「夫婦の予定子ども数」「理想子ども数」に「既婚女性1人あたり」をつければ,つじつまが合うことに気づきました.
「2.07人」ではなく「2.07人/人」,「2.12人」のところは「2.12人/人」,とするわけです.
シングルマザーはどうするのとか,そもそも朝日の記事はどちらかというと批判的なとらえ方だなあとか…
試算って,難しいですね.
数式から離れた話を…こういった数値目標を掲げて,「産めよ増やせよ」を押しつけることにならないのか? とも思ったのですが,http://www.healthcare-m.ac.jp/app/gm/archives/8841によると「注釈として、「希望出生率」はあくまでも政策が適切かどうかの評価指標として活用すべきで、国民に押し付けたりするようなことがあってはならない、とあります」と,予防線が張られていました.