かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

数検10級に見る,かけ算の順序

 ぶらり入った書店で,「実用数学技能検定(数検)」の特集をしていました。級のうち,6級から11級までが小学校の1学年ずつに対応し,「算数検定」となっています。小学校2年の「10級」の書籍のうち3冊を手に取り,レジへ持って行きました。
 購入した理由はというと,そのいくつかに「かけ算の順序」を問う文章題*1を見かけたからです。
 『文章題入門帳』ではp.34です。上半分の「れんしゅう 2」には「子どもが 6人 います。1人に 画用紙を 3まいずつ くばります。画用紙は 何まい いりますか。」,下半分の「れんしゅう 3」には「たまごの パックが 5つ あります。どの パックにも たまごが 6こずつ 入って います。たまごは 何こ ありますか。」とあります。緑色のガイドに注意しながら,穴埋めで解答します。正解となる式はそれぞれ「3×6=18」「6×5=30」です。
 『文章題入門帳』のp.38には「はこに ジュースが 50本 入って います。この ジュースを 9人の 子どもに 4本ずつ くばりました。」とし,(1)と(2)の小問に分けて,ここでも穴埋めです。(1)では「□本ずつ □人に くばるので,」とし,順に4と9が入り,順序をひっくり返すことが想定されます。
 『要点整理』では,p.80の最初の2問が該当します。「(1) 子どもが 5人 います。1人に 色紙を 7まいずつ くばります。色紙は ぜんぶで 何まい いりますか。」と「(2) 長いすが 6つ あります。どの いすにも 4人ずつ すわって います。ぜんぶで 何人 すわって いますか。」です。
 ここまで挙げた文章題では,いずれも,「ずつ」の付く数がかけられる数となっていますが,「ずつ」がない場合,例えば最初に記した文章題を「1人に 画用紙を 3まい くばります」に変更すると,1人だけに3枚配るという解釈もでき,曖昧さを避けるためと読み取ることができます。それぞれの本に,「ずつ」のない,かけ算の文章題を見つけることもできました。
 『過去問題集』に収録された全6回の問題文を見ましたが,「かけ算の順序」を問う文章題は,含まれていませんでした。