かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

令和2年度算数教科書読み比べ(9)~落ち穂拾い

 2019年6月の教科書展示会で目にした小学校算数教科書見本の,雑多なことです。

  • 啓林館1年の「おなじ かずずつ」は,等分除・包含除(たし算で表す)が1問ずつで構成され,これまでの「子どもが 3人 います。みかんを 1人に 2こずつ あげます。みんなで なんこ いりますか。」がなくなっていました。関連:https://www.slideshare.net/takehikom/23-32-123835241/36
  • 学校図書4年の「4マス関係表がわかりやすいね」について,3番目の問題の答えは「15.5m」でした。関連:4マス関係表で29g,4.2g,15.5g
  • 6年の教科書は,6社いずれも1冊(上下巻にしていない)でした。
  • 6年の「場合の数」(教科書によって単元名は異なりますが)で,かけ算の式は使用されていませんでした。
    • 啓林館,東京書籍,学校図書には,3~4桁の暗証番号が何通りあるか(重複順列)の問題または解説が入っていました。これについても,かけ算の式はありませんでした。
  • 6年の比例で,6社いずれも「yは(が)xに比例する」の表記を使用していました。関連:と比例・に比例 - わさっきhb
  • 6年の比例で,速さを用いてグラフ(原点を通る直線)にしたり,2つの(ともに原点を通る)直線が引かれたグラフから情報を読みとったり関係を式で表したりする学習が入っていました。
  • 『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説算数編』の「比例関係を表した式を振り返り,既習と関連付けて考えていくこと」について,いくつかの6年の教科書から事例を見つけました。
    • 大日本図書では,「時速80kmで走っている自動車」「円の直径」「縦の長さが3cmの長方形で横の長さを変える」を用いて,「比例の関係になっている2つの量を見つけよう。」と出題していました。
    • 日本文教出版では,「(長方形の)面積=縦の長さ×横の長さ」をもとに話を進め,「同じかけ算で表される関係でも,どこに着目して関係をとらえるかによって,比例になったり,反比例になったりします。」とまとめていました。
    • 東京書籍では「平行四辺形(の面積)=底辺×高さ」を用い,日本文教出版のまとめと同じ趣旨を,キャラクターの一人が発言していました。