かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

1日×2分×3回

 本記事の主な目的は,このブログで初期(2012年)に実施していた,「×の事例紹介」です。とはいえ本書の全体を見まして,しっかりした内容だと思っています。100マス計算がどういうものなのかは,プロローグ・エピローグを読めば理解できましたし,巻末には,「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会」ほかの案内が,1ページになっています。
 なのですが,タイトルのうち「1日×2分×3回」には,大いに悩まされました。
 「2分」と「3回」は,理解できます。100マス計算一つ分を2分で解いて,それを3回しましょう,というわけです。タイムについてはp.4で,10歳以上の「目標タイム」が3分,「達人タイム」が1分30秒と,設定されています。
 その上で,「1日×」の部分です。「毎日」もしくは「1日につき」という意図であれば,ここはかけ算ではなく,「/1日」となるべきなのです。
 もくじ(pp.4-5)を見ると,「100マスたし算」「100マスひき算」「100マスかけ算」のいずれも28日目が最終日です。となると,「(2分×3回)/日×28日」が,数量の表現としてより適切に思えます---もちろんこんな式が本のタイトルにあっても,嬉しくありませんが。
 数量を表したものでないとなると…「1日×2分×3回」は,「一富士二鷹三茄子」や,「Healthy & Beauty」と,同類になるのでしょうか。