かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

二重数直線で,わり算の式にするには?

Q: ①-3は,なぜ「200÷80」になるのでしょうか?

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 二重数直線から得られる式は「80×□=200」という,かけ算の関係です。
 そこから,3年で学習する「1つ分の数×いくつ分=ぜんぶの数 ⇒ いくつ分=ぜんぶの数÷1つ分の数」をもとに,□=200÷80としています。
 この図については,別の方法でわり算の式にすることができます。「80」と「1」,「200」と「□」とをそれぞれ,ペアにして考えます。「80」から「1」にするには,80でわります。同じように,「200」から「□」にするには,80でわればいい,と考えて,「200÷80=□」を得ます。この求め方は,以下で紹介しています。

 今回,2つの数直線をまたぐような矢印を設けなかったのは,ここ数年の二重数直線の使用例を踏まえてのものです。「またぐような矢印」は,4マス関係表で活用されています---と思いながらhttps://www.gakuto.co.jp/docs/download/pdf/2020naiyo_s_santu_kohan.pdf#page=2の「4年 テープ図と数直線,4マス関係表」を見ると,関係表にも「またぐような矢印」はなく,行どうしで「×□」の関係をもとに立式していました。なお,「またぐ」ことについて,数学的には差し支えなく,背景には,6年で学習する比例の「商一定」があります。
 令和3年度全国学力テスト算数の大問1(5),「分速540mで走るバスが,2700mを進むのに何分間かかるかを求める式を書きましょう。ただし,計算の答えを書く必要はありません。」に対しても,同様の図が,先月公開された報告書に載っています(p.37)。

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 ここまでは,包含除または第1用法に関するものです。等分除または第3用法について,「□×b=x」の式を作ってから,「1つ分の数×いくつ分=ぜんぶの数 ⇒ 1つ分の数=ぜんぶの数÷いくつ分」をもとに,□=x÷bとしてもいいのですが,作成しているスライドでは,二重数直線上に,xをbでわると□になるのがわかるよう,矢印と「÷b」を添えています。