かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

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 本記事のいくつかの文章題は,小学校算数を念頭に置きつつ,教科書や学習指導案には見かけないし,将来的に掲載されることも期待できない,創作です。

問1 1枚の皿にリンゴが3個乗っています。そのような皿が4枚あります。リンゴは全部で何個ありますか。

 「3個の4つ分」と数量の関係をとらえることで,式は3×4=12,答え12枚と,求められます。

問2 2枚の皿にリンゴが3個乗っています。そのような皿が4枚あります。リンゴは全部で何個ありますか。

 「2枚の皿にリンゴが3個乗って」いる状況を,ChatGPTで画像にしました。

 この問題では,3×4や2×3×4のような式ではうまくいきません。「2枚の皿にリンゴが3個乗っています」を1つ分ととらえると,「そのような皿が4枚あります」は,皿の枚数に着目したわり算,具体的には4÷2=2の計算を行うことで,「2つ分」あることがわかります。となるとリンゴは,「3個の2つ分」です。式は3×2=6,答え6枚です。

問3 毎日チケットを1枚ずつ3人に配ります。4日で,チケットは何枚必要ですか。

 これは2つの求め方を考えることができます。2つの式のあいだで,かけられる数とかける数が反対になります。

  • 1日で必要なチケットは3枚です。4日だと,式は3×4=12,答え12枚です。
  • 1人あたり4日で必要なチケットは4枚です。3人だと,式は4×3=12,答え12枚です。

問4 毎日チケットを2枚ずつ3人に配ります。4日で,チケットは何枚必要ですか。

 問3の考え方と同様にし,総合式(1つの式で表す)にした場合,式は2×3×4=24または2×4×3=24,答え24枚となります。
 問1と問2との間では,違いは(問題番号ではなく文章題の中の)「1」と「2」だけです。問3と問4の違いも,同じです。ですが答えの数だけを見ると,問1と問3は「12」ですが,問2では「6」,問4では「24」と,違ってきます。
 この違いは,中学校数学の文字式にすると,より明瞭になります。

問5 a枚の皿にリンゴがb個乗っています。そのような皿がc枚あります(caで割り切れるものとします)。リンゴは全部で何個ありますか。abcを用いた式で表しましょう。

 求め方としては,リンゴの全部の数をx個とおき,比例式で表すことにしましょう。式はa:c=b:xです。これをxについて解くことで,\displaystyle x=\frac{bc}{a}(個)と求められます。

問6 毎日チケットをa枚ずつb人に配ります。c日で,チケットは何枚必要ですか。abcを用いた式で表しましょう。

 3つの文字のかけ算が,答えとなります。すなわち,abc(枚)です。
 問5で求めた式について,枚数に対応するaは分母にあります。bcを固定すれば,xはaに反比例します。1枚から2枚にすれば,リンゴの全部の数は,\displaystyle\frac12になるのです。それに対し,問6のほうでは,bcが定数なら,チケットの必要枚数はaに比例します。