かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

単位展のSANGAKU POSTER〜(半円の直径)=3×(等円の直径)

「単位展」というのを見てきました.

この中で,「算額奉納」に注目しました.写真を撮りました.




大きな半円と3つの小さな円でできる図形には,問題文と解答が書かれています.ポスター展示では,数学的な(今だと,こう書くような)証明がついています.
当時の出題文を,テキスト化してみます.

今有如圖半圓内設等圓二個從其親所浅
二斜容等圓一個其等圓徑若干問得半圓
徑術如何
    答曰如左文
術曰置等圓徑三之得半圓徑合問
         菅原長識實昌

このうち「置等圓徑三之得半圓徑」が,説明の中の「等円径を置き、これを3倍して半円形を得て」に対応します.式だと「(半円の直径)=3×(等円の直径)」ですが,これは上述の「今だと」の解説の最後「R=3r」を,×を使った言葉の式に置き換えたためと思われます.
「半円形」とあるのは「半円径」ではないか,とも思うのですが.