かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

年末年始のレシート集め






レシートと,かけ算

そして、「個数を聞いているから、個数を先に書かなければならない」理由がわからないのは当然である。そのように書かなければいけない合理的な理由は存在しない。実際、世間一般ではそのようなルールは存在しない。たとえば次のレシートの見本を見てもらいたい。
(画像:省略)
このレシートの見本では「単価×数量」の順序ではなく、「数量×単価」の順序が採用されている。しかも、掛算の順序に頼ると誤解が生じる確率が高くなるので、「4個×単450」や「3ヶ×@120」のように印刷することによって誤解を防ぐ工夫がされている。これが世間一般の知恵というものである。

算数の教科書とその指導書の問題点

「数量×単価」は会計の慣例によるものであって別扱いとしたほうがよく,日常生活のかけ算の式もまた,算数と同じ「一つ分の数×幾つ分(=全体の大きさ)」で考え,それぞれに単位を添えて表記するのが,スムーズな相互理解につながると考えています.

Re: 算数の教科書とその指導書の問題点

かけ算は,学校教育の縮図なのかもしれません.
誰もが小学校で,教育を受け,かけ算を学びます.大人になってからも,教育機関を通じて得た知識と,学校教育の外で身につけた技能を使いながら,毎日の生活を送り,成功や失敗の経験を,自らの知識・技能へとフィードバックしています.レシートに打たれた「@147×2点」から「147円の商品を2つ」と認識できるのは,学校内外の知識をうまく組み合わせているからです.

積・倍・積〜新たなかけ算のサンドイッチ

操作画面の中に,「レシート画像」があり,幸いにも「@105×2」の表示があります.
そして同じ画面のすぐ右,「明細」を見ると,この単価・数量の情報がなく,「こしあんぱん|210」となっていました.
技術的には,「@」,「×」そして数字が正しく読み取れれば,単価・数量も得られるわけですが,認識精度と利用ニーズから,そこまでは機能に入っていない,といったところでしょうか.

レシート用のスキャナ

すっかり忘れていました.非サンドイッチでいいと思いますが,「数量・単価」で1項目を設けるのも,よさそうです.
ここ数日,レシート集めをしてみましたが,「単価×数量」も「数量×単価」も発見でき,前者のほうが多く見つかりました.単価を表す数には,前または後ろに「@」が付いていて,そのおかげで単価(被乗数)と数量(乗数)の区別ができます.

学校の外で「×」 - 「数量×単価」は,非サンドイッチですか?