かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

「半分」と「2分の1」の違い

 都算研|東京都算数教育研究会のホームページに2020/2/14付でリンクされていました。
 巻頭言のあと,令和元年10月18日に開催の研究発表会(公開授業)のことが,1分科会につき半ページ,6分科会で3ページにわたって報告されています。第1分科会は第3学年の授業で,分科会の番号と学年とが対応していません。「第3分科会 第4学年「たしざん(2)」」は第1学年の誤記と思われます。それと講師(教諭との区別をするためではなく,各公開授業の指導役と思われます)の肩書きがどなたも「元東京都算数教育研究会会長」で,いずれも異なるのには(6名の「元会長」ということです),びっくりしました。
 内容面では,第4分科会(第2学年「分数」)の指導に,興味深いものがありました。

  • 分数の用いられる場合には、分割分数と操作分数などがある。半分と\frac12との違いを明確にする。ロールケーキは長さを測って切れないので「半分」。折り紙は正確に折れるので\frac12といえる。

 正確にn等分できるときは,その一つ分を元の大きさの\frac1nと言うことができ,そうでない場合には言えない(「n等分する」は言ってよい),となります。「2等分」に限っては,「半分」とも言えますが,「2等分する」と同義なのは,「半分する」ではなく「半分にする」である,というのは,算数というよりは国語の話でしょうか。
 分割分数と操作分数の違いを確認するため,検索したところ,比較的最近の論文を見つけました。

 論文をダウンロードして読んでみました。最初のページで,他の文献を引用して「分割量分数」というのに言及しています。「ある単位量をa等分したもののb個分の大きさを表す数」です。分割分数と量分数とを組み合わせたものであるように見えます。PDFファイルの7ページ(ページ番号は付いていません)には,操作分数・分割分数・分割量分数・量分数の関係を示した図があります。この論文を軽く読んだだけでは,分割量分数の意義を見出すことはできませんでした。