かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

児童が小数の乗法の文章題において正しく演算決定・演算処理できるためには

 かけられる数とかける数の非対称性は,5年の算数においてこそ重要となってきます。例えば「180×2.5」を,「180と2.5をかけ合わせたもの」ではなく,「180の2.5倍」あるいは「『180』『×2.5』」ととらえます。文章題や実際の場面においても,子どもたちは,基準量の何倍といった形で,2つの数量を区別して認識できるようになることが,高学年の算数教育で期待され,実践されてきたと言えます。

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実際には何をどう考えているのか―2冊読み比べ

  • Lannin, J., Chval, K., and Jones, D.: Putting Essential Understanding of Multiplication and Division into Practice in Grades 3-5, National Council of Teachers of Mathematics (2013). [isbn:0873537157]

 「タイル×タイル」のかけ算の調査に,興味深い結果と分析があったので取り上げることにします。
 出題はp.48の Fig. 2.11 (The Tile task)です。正方形の同一のタイルが長方形状に配置され,その上にオレンジ色のrug(じゅうたん)が乗っています。タイルは何枚あるか,そしてどのようにして答えを求めたかを,小学3年生が解答しました。提示されている図は次のとおりです。

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アメリカで7×3の絵を描かせると

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