かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

わが家の家庭教師は

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 文中に線が引いてあります。すぐ左で,「――線部「わが家の家庭教師」とはだれですか。」と問われています。
 ぱっと見で「父」と答えたいところですが,前に「聞けばいいのに」,後ろに「ふたことめには,自分で調べろというし」とあるところから,母も該当しそうで,むしろ両親と書くべきでしょうか。
 元ネタは以下の本です。解答を見ることができません。

小5ハイクラステスト国語読解力―新学習指導要領対応

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 日記文の第1段落にある「2×3=6ということをならったら,自分で努力して3×2=6というやり方を見つけ出してこそ、自分の力になるのではないか。」も,興味深いところです。交換法則の話ですが,2×3=6と3×2=6(の意味)が異なることを暗に示しているようにも読み取れます。「3×2=6というやり方」で思い浮かぶのはアレイですが,アレイの利用や,2×3,3×2といった式は2年の話ですので,5年生(向け問題集)の日記にしては,本人の望む学びと,父親の認識との間に,ミスマッチがあるようにも見えます。
 「2×3=6」「3×2=6」は右に90度,回転していますが,縦書きで数式を書く場合の一つの記法と理解しました。この書き方そのものについての出題は,見当たりません。小学校の国語を離れると,以下で事例整理がなされていました。