かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

5ヵ国×4段階焙煎=20種焙煎豆

JRの車内テレビで,かけ算に出くわしました.
「5ヵ国×4段階」と「ダイドーのコーヒー」を覚えておき,帰宅後に検索すると,詳細情報を入手できました.

車内で見たのは「【5ヵ国×4段階焙煎】」で,これだけではどちらが乗数,どちらが被乗数か,はっきりしません.
ですがニュースリリースには,「5ヵ国の豆を4段階の焙煎で焼き分けた20種類ブレンド」と,より具体的に書いています.
コーヒー豆が5種類あって,これが被乗数になたります.ひとつの国から1種類の豆で,あえて式にするなら,「1種類×5ヵ国=5種類」,または「1種類/国×5ヵ国=5種類*1」となります.
だから,「1種類×5ヵ国×4段階焙煎=20種類」の焙煎豆があることになり*2,これを略せば【5ヵ国×4段階焙煎】ですか.
数を多く見せる手法にもいろいろあるんだなあと,思い知らされました.

*1:ここの「ヵ」は,「にしがはち」だと言うけれども「にごじゅう」になったら言わなくなる,「が」のようなものです.

*2:「かけ算には順序がない」というお考えの方のために,補足をすると,「4段階焙煎」を「焙煎の方法が4種類」と考えると,「5種類×4種類=20種類」という式で表せます.デカルト積ですので,「4種類×5種類=20種類」にもなります.とはいえ,これらの式が宣伝文句で使えるかというと,定かではありませんが.