かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

40×2か,20×4か

 問題文と選択肢を書き出します.

 92÷4の答えを筆算で求めます。このとき、次の筆算の[ア](引用注:「8」の行)では、どのような計算をしていますか。答えは1~4から1つ選んで、その番号を書きましょう。
1 1×8
2 10×8
3 40×2
4 20×4

 問題文などの入手方法です。

 PDFではp.5で,ページの左下隅には「8」のページ番号が書かれています。
 さまざまな理由で,「4 20×4」が正解と言えます。被除数「92」の「9」の下に書く「8」は,わり算の筆算の手順の「たてる」「かける」「ひく」「おろす」のうち,「かける」に対応します。何と何をかけるかというと,商の十の位に書く「2」と,除数の「4」です.このように考えると,2×4=8なのですが,「2」を「20」に読み替えることで,20×4(=80)を得ます。
 選択肢だけを見て,正誤の判定もできます。わり算はかけ算の逆演算という観点で,4つのかけ算の式のうち,除数の「4」を因数に含むのは,「4 20×4」だけです。また,筆算の右の[ア]の下の「3×4」と対比し,何が異なって何が同じなのかを考えることでも,「20×4」が当てはまります。
 選択肢に「4×20」はありません。「3 40×2」については,この筆算の計算過程に「40」は出現しないので,間違いとなります。

 標準学力調査の改題という問題文も,同じページの教科書紙面も,読点が「、」になっています。PDFなどで参照できる,現行(令和2年度)の東京書籍の算数教科書や解説資料では「,」です。「横書きの読点は、「、(テン)」を用いることを原則とする。」を含む,「公文書作成の考え方」*1が公開されたのは,令和4年(2022年)1月です。
 「新編 新しい算数」教科書のご案内のp.20,「教師用指導書 指導編」の見開き2ページは,指導書の文章も,教科書の内容も,読点が「,」です。見比べて,不思議に思ったのですが,左下隅の「38」の右には「※紙面は、現在編集中のものです。使用や内容は変更になる場合がございます。」と書かれています。それより前のページには,「令和2年度用教科書のものです」と断っている文もありました。