自動車の停止距離とは,運転者が自動車を停止させようと考えてからブレーキを踏むまでに走る「空走距離」と,実際にブレーキを踏んでから停止するまでに走る「制動距離」の和で得られる(略)この空走距離と制動距離は,一般に次の式で求められる。
(空走距離[m])=(反応時間[秒])×(制動前の秒速[m/s])
(制動距離[m])=(制動前の時速[km/h])^2÷(254×摩擦係数)
(新井仁「表現力の育成を目指した問題解決学習のあり方―『生かす数学』による授業実践を通して―」. 『続・新しい算数数学教育の実践をめざして―杉山吉茂先生喜寿記念論文集』p.295)
内容としては,中学数学の教材案で,制動距離は時速の2乗に比例することを,表やグラフを通じて確認するというものです.
目が行ったのは,空走距離の式のほうです.「速さ×時間」じゃなくて「時間×速さ」になっているなあと.
反応時間が「×」の左に書かれているのは,そうなっている文献か何かをもとにした可能性もありますが,本文だけから推測するなら,空走距離は,(制動前の)速さとの関係として取り扱うことが多く,反応時間は単位こそ「秒」だけれど,その関係においては比例定数となるからなのでしょう.
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