かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

2018/08/02に公開の動画


 7分強の動画を,勝手ながら要約すると,「『りんご,みかん,バナナ,ぶどうが3つずつ。全部で果物は何個』に対する式として,学校では3×4だけを正解とし4×3は間違いとするだろうが,アレイやトランプ配りを使えば,4×3でも正解になる」といったところでしょうか。
 文章題に対し,アレイを用いることについては,以前にスライドを作っていました.「算数教育において認められていない(世界的に見ても,SMSGの主張が衰退した)」というのが,国内外の文献をもとにして得られる知見となります。
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 この画像はhttps://www.slideshare.net/takehikom/2x3-3x2/64からも見ることができます。
 アレイを「立式の根拠」ではなく「式で表す場面」として使用することについては,実例があります。例えばhttp://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/05/07/1387017_4_3.pdf#page=53より見ることのできる画像のうち,下のものについて,「3×4,又は4×3と式で表すことができる」となっていることが関連します(上の写真について,式は「4×3」のみが記載され「3×4」が書かれていないのと,対照的です)。
 トランプ配りについては,一つは,これまで等分除の操作としてわり算の学習で活用されており(かけ算では想定されていない),もう一つは,かけ算の場面へのトランプ配りの適用(配慮)が,昨年公開の『小学校学習指導要領解説算数編』に記載されたので,再来年度からの教科書がどうなるか見たい,といった認識を持っています。メインブログと当ブログで以前に書いた記事にリンクしておきます。

 ところで,「かけ算の順序」批判の動画を見るのは,2017/09/09に公開の動画以来となります。バナナを「~個」で数えるのには抵抗がありますし,ぶどう「1個」が1房なのか1粒なのか曖昧ですので,そういったことも合わせて,「りんご,みかん,バナナ,ぶどうが3つずつ。全部で果物は何個」を,2年のかけ算の文章題で問うのは適切ではないようにも思っています。https://www.slideshare.net/takehikom/2x3-3x2/60が,関連するところでしょうか。