- [石田1993] 石田純一: 教科書の問題をオープン化する試み―小4の「変わり方」単元において―平成四年度科学研究費補助金 一般研究C 研究成果報告書(課題番号:03680242,課題名:小5から中2までの算数・数学のオープンエンドの問題に関する開発並びに体系化の研究,研究代表者:橋本吉彦), pp.8-11 (1993). http://hdl.handle.net/10131/6362
段数×4=周りの長さの事例が,今より30年以上前の教科書に掲載されていました。
上記URLより,教科書の掲載内容が参照できるので,ここで画像を貼り付けるのは差し控えます。
現行(令和2年度より使用)の教科書ごとの違いは,以下の通り整理していました。
[石田1993]の教科書抜粋から読み取れるのは,以下の通りです。
- 並べる対象
- 正方形:D社,T社,K社
- 何を求めるか
- 段数と周りの長さの関係:D社,T社,K社
- ある段数での周りの長さ:D社,K社
- 関係式のかけ算
- 段数×4:D社,K社
- 不明:T社
図の作り直し~段数と周りの長さの関係で作成した3つの求め方と,照合することもできます。D社およびT社では,求め方③に対応する図が見られるのに対し,K社では表のみです。
[石田1993]の最初のページには,「5社の教科書から1題ずつ問題を選択した」とあります。英字が,教科書会社のイニシャルであると仮定すると,D社は大日本図書,T社は東京書籍,K社は啓林館に結び付けることができます。「正三角形を並べる」問題(p.10)*1のG社は学校図書で,O社は大阪書籍と推測ができ,wikipedia:大阪書籍とwikipedia:日本文教出版_(大阪府)に書かれているとおり日本文教出版に引き継がれています。
*1:『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説算数編』p.216で取り上げられています。