かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

6キラキラを作るときには,6×1は考えない

 実践報告です。やや短めで,キラキラと光るテープを,黒板に貼り付け,横に「1キラキラル」を書き添えています。次に「あ」「い」「う」と書き,異なる長さの3つのテープを貼り付け,「6キラキラルはどれでしょう」と子どもたちに問います。「あ」と「う」は,1キラキラルの6倍よりも明らかに短く,「い」は,6倍を超えています。そうして,「6キラキラル」を作ろうという活動に移ります。
 子どもたちの解決によると,「1キラキラルの6倍(1×6)」が最も多かったけれど,「2キラキラルの3倍(2×3)」や「3キラキラルの2倍(3×2)」というアイデアも出てきます。それぞれの方法で,6キラキラルの長さのテープを作り,「2×3も3×2も1×6も全部6」「基にする量が違うだけ」とまとめています。
 小学校学習指導要領の「一つの数をほかの数の積としてみる」と関連する授業内容でした。
 ところで,「数」そして「(2年で学ぶ)かけ算」として見直したとき,6になるかけ算の式が,あと一つあります。6×1です。
 ですがこの授業では出てきません。6キラキラルという「量」を作る活動において,「6キラキラルの1つ分」とするわけには,いかないからです。
 メインブログで,アレイを対象として,「全部の数×1」の式を立てていたことがありました。アレイ図 - わさっきに,「一つ分の大きさを12個とし,それが1つある状態,式だと12×1=12」と書いていました。そこでは,できるだけたくさん,かけ算や累加の式を作っていたのですが,今回見てきた授業事例のように,「全部の数×1」を抑制することが可能となるのは,一つの収穫でした。


 長さの単位(任意単位)について,原文では「キラキラ」です。思うことあって本記事では,タイトルを除き「キラキラル」と書いています。そのうち修正します。