かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

十字型アレイの2024年版

  • 盛山隆雄: 見方を面白がる子どもに, 算数授業研究, 東洋館出版社, No.152, p.26 (2024).

左カラムの十数行を書き出します。図番号は原文と異なります。

 2年生のかけ算九九の活用場面では,例えば図1のように並ぶ碁石の数を数える問題がある.この数え方を表す次の式が発表された。
「5×4=20 20個」
この式は,当初図2のように子どもに読まれたが,話し合いをして,これは4×5の図であると修正された。では,5×4=20は,この図をどうみたのだろうか。

 該当ページは全体的に薄い灰色で,碁石に対応する丸は白塗りになっています。上記の図1について,並びは以前に作成していました。

 図2は,次の通りです。原文はオレンジの代わりに濃い灰色で,手書きの囲い込みとなっています(以下同じ)。

 「1つ分の数×いくつ分=ぜんぶの数」に当てはめると,「1つ分の数」は4,「いくつ分」は5で,たしかに4×5=20の囲い方です。
 ページの右カラムには,「5×4=20」になるという図を3つ,載せています。総数を表す多様な式を作るのではなく,「5×4=20」であることが分かる多様な考え方を引き出しています。

 最後の図について,5個ずつの囲い込みをしていないこともあり,5行4列のアレイ(長方形的配列)に帰着したと,考えることもできますが,本文では「5×4は,1つ分が5個で,4列分だからこう考えました」と子ども発言していますので,縦×横に帰着した(横×縦は,本人の関心になかった)と見ることができます。

 アレイ(長方形的配列)について,今月入手して読んだ本や雑誌では,『小学校算数 「きまり発見」の授業のつくり方』pp.110-114,新しい算数研究2023年6月号p.7,『算数教育の基礎がわかる本』p.69にそれぞれ掲載されていました。