かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

新旧の小学校学習指導要領解説算数編から,「端」と「はした」の出現箇所を求める(追記あり)

 新旧の『小学校学習指導要領解説算数編』のPDFファイルを対象に,「端」の語が,前後にどのような表現を伴って出現するかを,取り出してみました。KWIC (keyword in context)形式にしています。
 現行の解説(平成20年6月)はhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syokaisetsu/よりダウンロードできます。以下の2つのファイルをダウンロードしてから,Adobe Acrobat Reader DCで開いて検索し,出現箇所と前後5文字,出現ページ番号を記載しました。

3学年で, 端 数部分の大 (p.36)
の大きさや 端 数部分の大 (p.36)
き,一方の 端 をそろえて (p.44)
て,他方の 端 の位置によ (p.44)
りの個数と 端 数という数 (p.64)
りの個数, 端 数として表 (p.64)
く方法と, 端 数から取っ (p.68)
で,一方の 端 をきちんと (p.71)
,反対側の 端 で,その大 (p.71)
に満たない 端 数がそれぞ (p.80)
とともに, 端 下の処理に (p.90)
    ア 端 数部分の大 (p.111)
踏まえて, 端 数部分の大 (p.112)
多いので, 端 数部分の量 (p.113)
の大きさや 端 数部分の大 (p.114)
の大きさや 端 数部分の大 (p.115)
は,測定で 端 下の数を最 (p.135)
さとその両 端 の角の大き (p.184)
記号化して 端 的に表すこ (p.212)

 新しい解説(平成29年6月)は,http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htmよりダウンロードできます。以下の2つのファイルを参照し,抽出の方法は上と同じです。

び分数は, 端 数部分の大 (p.44)
き,一方の 端 を揃えて, (p.57)
て,他方の 端 の位置によ (p.57)
い。要点を 端 的に把握す (p.69)
タの特徴を 端 的に捉える (p.69)
りの個数と 端 数という数 (p.79)
りの個数, 端 数として表 (p.80)
0が幾つと 端 数と捉える (p.81)
く方法と, 端 数から取っ (p.86)
は,一方の 端 を揃えるこ (p.90)
,反対側の 端 で長さの大 (p.90)
に満たない 端 数がそれぞ (p.104)
ど,単位の 端 下の処理に (p.121)
  (ア) 端 数部分の大 (p.147)
踏まえて, 端 数部分の大 (p.148)
・能力は, 端 数部分を表 (p.148)
多いので, 端 数部分の量 (p.148)
の大きさや 端 数部分の大 (p.150)
の大きさや 端 数部分の大 (p.150)
(分や秒の 端 数の付かな (p.164)
は,測定で 端 下の数を最 (p.181)
さとその両 端 の角の大き (p.246)
さとその両 端 の角の大き (p.246)
場合や,極 端 にかけ離れ (p.302)
います。極 端 に多く読ん (p.315)

 新旧に共通して出現するのは「端(単独)」「端数」「端下」「両端」です。単独の「端」は主に1年で,長さの直接比較に関するものです。「端数」は十進位取り記数法や小数・分数で出てきます。「端下」は測定における「はんぱ」の量の扱いで使用されています。「両端」は,三角形の合同や同定に関する事項です。
 そのほか,新しい解説には「端的」「極端」というのも見かけますが,これは新たに作られた領域「D データの活用」の中で出現しています。「極端にかけ離れた値があったりすると」の表記は,現行の中学校学習指導要領解説数学編にもありました。
 新しい解説の算数(2)には,「はした」の語が出現しました(現行の解説には見当たりません)。同様に,出現箇所を書いておきます。

して2mの はした があるので (p.188)
に着目し, はした の大きさ, (p.242)


追記:算数用語「はした」について、再び一言 - 身勝手な主張からお越しの方は,以下もご覧ください。

「1あたり×幾つ分」とは,同数累加の乗法表記なのでしょうか?

 上記ツイートについて,回答を試みるなら,次の4点になります。

  • 学習指導要領と解説(新旧とも)から読める、乗法の意味づけの主軸は,2年の「一つ分の大きさ×幾つ分」と5年の「基準にする大きさ×割合」(乗法の意味の拡張)です。なぜ拡張を行うのかというと,累加では,かける数が「幾つ分」という分離量であり,そのままでは,小数の乗法の場面ではうまくいかないからです。
  • 「一つ分の大きさ×幾つ分」の派生が2つあって,一つは「累加の簡潔な表現」,もう一つは「倍」です。いずれも2年で学習しますが,累加は4年の小数×整数でも使用されますし,倍概念は3年のわり算や,(新しい学習指導要領の)4年の「簡単な場合についての割合」とも関わってきます。
  • 「1あたり×幾つ分」は乗法の式で表す方法(演算決定の根拠)で,「同数累加」は計算の方法だ,と区別することもできます。とはいえ,用語はともかくとして同数累加は1年で学習済みなので,5+5+5+5ではなくこれからは5×4と書こうね,という授業の仕方は可能だと思います。
  • 「1あたり」を「一つ分の大きさ」の言い換えとみることも一応できますが,「内包量」(パー書きの量,土台量なども)とすると,意味合いが変わってきます。


 新旧の『小学校学習指導要領解説算数編』のPDFファイルより,「一つ分の大きさ」「幾つ分」「累加」「倍」の出現する箇所を取り出します。現行の解説はhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syokaisetsu/よりダウンロードでき,http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/06/16/1234931_004_2.pdf#page=27には以下のとおり書かれています。

 ア 乗法が用いられる場合とその意味
 乗法は,一つ分の大きさが決まっているときに,その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる。つまり,同じ数を何回も加える加法,すなわち累加の簡潔な表現として乗法による表現が用いられることになる。また,累加としての乗法の意味は,幾つ分といったのを何倍とみて,一つの大きさの何倍かに当たる大きさを求めることであるといえる。

 新しい解説の起点URLはhttp://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htmです。http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/07/25/1387017_4_2.pdf#page=39には以下のとおり書かれています。

 ア 知識及び技能
  (ア)乗法が用いられる場合とその意味
 乗法は,一つ分の大きさが決まっているときに,その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる。
 例えば,「1皿に5個ずつ入ったみかんの4皿分の個数」を求めることについて式で表現することを考える。
(図:省略)
 「5個のまとまり」の4皿分を加法で表現する場合,5+5+5+5と表現することができる。また,各々の皿から1個ずつ数えると,1回の操作で4個数えることができ,全てのみかんを数えるために5回の操作が必要であることから,4+4+4+4+4という表現も可能ではある。しかし,5個のまとまりをそのまま書き表す方が自然である。そこで,「1皿に5個ずつ入ったみかんの4皿分の個数」を乗法を用いて表そうとして,一つ分の大きさである5を先に書く場合5×4と表す。このように乗法は,同じ数を何回も加える加法,すなわち累加の簡潔な表現とも捉えることができる。言い換えると,(一つ分の大きさ)×(幾つ分)=(幾つ分かに当たる大きさ)と捉えることができる。
 また乗法は,幾つ分といったことを何倍とみて,一つ分の大きさの何倍かに当たる大きさを求めることであるという意味も,併せて指導する。このときも,一つ分に当たる大きさを先に,倍を表す数を後に表す場合,「2mのテープの3倍の長さ」であれば2×3と表す。

 新しい解説では,みかんやテープを用いた場面を取り入れていますが,それを無視して「一つ分の大きさ」「幾つ分」「累加」「倍」に着目すると,言っていることに変化はないと思われます.
 倍概念を2年で学習することや,割合を含め高学年へのつながりについては,啓林館のhttp://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/WebHelp/02/page2_16.htmlが最も分かりやすい記述となっています。
 「1あたり×幾つ分」を累加と分離することについては,数学教育協議会の意向もあると思います。遠山啓「6×4,4×6論争にひそむ意味」もその1つです。数教協から離れたところでも,http://www.globaledresources.com/resources/assets/042309_Multiplication_v2.pdfの11枚目上に「累加や,まとめて数えることは,総数(積)を求める方法である。」*1とあります.この項目が,「かけ算の式は,それと数の等しい,決まった状況を表す。」*2の下位となっていることからも,かけ算の式で表すことが主,計算で求めることが従となっているのが見て取れます。
 最後に「1あたり」を「内包量」に読み替えるとどうなるかですが,「1あたり×幾つ分」によって,その結果は被乗数・除数のいずれとも異なる種類の量となるので,これを「積」のかけ算と解釈することができます。数教協のスタンスを,その外の人が整理したものが,『数学教育学研究ハンドブック』*3より読めます*4.以下の2つはp.73からです。

 演算の意味(演算決定)についての議論は,様々な立場から提案がされている。
 特に,乗法の意味には,「同数累加」,「量×量」,「基準量×割合」の3つの立場がある。

 中原(1961)は,分数の乗除は,量×量,量÷量とて,量の関係として扱うべきであると主張し,乗法を累加で定義して,後に倍概念に拡張する立場を批判している。加法と乗法は本来性質の違う演算として導入すべきであると主張する。乗法は2つの量の「積(product)」として捉え,「倍(multiple)」ではないとしている。この立場から乗法を次の3つの概念で分類している。
(1) 2m×3=6m
(2) 2m×3m=6m^2
(3) 2m/秒×3秒=6m
 (1)は「倍」で,2つの量の比較する場合に生まれる概念であり,拡張によって小数倍,分数倍へと発展する。(2)と(3)は「積」であり,(2)は「外延量×外延量」で面積のような二元的な量,(3)は「内包量×外延量」で速さなどである。この「積」の概念が乗法演算の本質であるとしている。

 今の算数では,式に単位を付けないのが慣例ですので,上記(1)~(3)の表記は,2×3という式の解釈の仕方と見ることができます。連続量を用いていますが,分離量でも考えることができ,新しい解説のみかんの場面について,「5個×4(=5個+5個+5個+5個)=20個」が「1つ分の数×いくつ分」に,「5個/皿×4皿=20個」が「1あたり×幾つ分」に,それぞれ関連づけられます。この分類では,新しい解説で例示されたみかんの場面もテープの場面も,「倍」となりますし,「1あたり×幾つ分」は累加で解釈できないことになります(それを踏まえた上での「積」と言えます)。
 ただし,『数学教育学研究ハンドブック』では,以下の内容が,乗法の意味に関する結論となっています(pp.74-75)。

 これらの研究成果から,乗法・除法の意味づけにおいては,数学的な考え方の育成を目指す立場からは,割合による意味づけに教育的な価値がある。これは,整数は同数累加で導入し,乗数が小数になった段階で同数累加では意味づけられなくなる。そこで,被乗数,乗数の意味を(基準量)×(割合)と拡張し,これまでの整数の場合と同様に用いることができるようにすることである。数学的な考え方を育成するためには,意味の拡張は重要な指導の場となってくる。
 この意味づけにおける課題は,児童の実態として,割合を捉えることの難しさが挙げられる。整数の乗法・除法を扱う中で割合の見方をどの学習でどのような方法で導入するかを明確にする必要がある。また,整数÷整数の包含除の場面で整数倍,小数倍を扱う指導と割合との関連を,より一層カリキュラムの上で明らかにする必要がある。
 一方,意味の拡張を意図しない立場では,乗法の意味づけは,(内包量)×(外延量)になる。乗数を外延量とすることで,整数でも小数でも意味づけは変わらないことになる。
 この意味づけの課題は,乗法の導入段階で内包量の見方を児童ができるかということである。例えば,みかんが3こある場面で,これを3こ/皿という内包量として見るのは児童にとって難しいことである。また,数学的な考え方と関わった意味の拡張などの見方をどのように扱うかを明らかにする必要がある。

 とはいうものの,「1あたり」も「内包量」も,パー書きの単位も,小学校算数の学習指導要領および解説には出現しません。「1あたり」に近いのは,「単位量当たりの大きさ」ですが,その学習は5年です*5
 2年で学習する,かけ算の言葉の式としては,「多くの教科書で採用している」と断った上で「1つ分の数×いくつ分」と書くのが無難ではないか,とも思います。
 なお,冒頭のツイートの1つ前*6について,学習指導要領やその解説の作成・改訂のプロセスよりも,東京新聞中日新聞)に出された記事の経緯の方が気になっています。とくにその発端に関して,ネットの議論を記者が読んだというよりは,誰かが,記事にするよう持ちかけたのではないかと思わずにいられないのです。

*1:原文は"Repeated addition and skip counting are ways to find the total (product)."

*2:原文は"Multiplication sentences describe equal set situations."

*3:isbn:9784491026268

*4:執筆者は中村享史。関連:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20161122/1479743916

*5:人口密度や速さなど,単位量当たりの大きさは,わり算によって求めるのに対し,「3こ/皿」などの「1あたり」は,かけ算の導入で(わり算を陽に出さずに)使用する,という違いもあります。

*6:https://twitter.com/metameta007/status/892750423680929793

もし算数で,0が3の倍数なら

 『小学校学習指導要領解説算数編』(平成29年6月)のPDFファイル*1には,「3に整数をかけてできる数を3の倍数という。3,6,9,…は3の倍数である。このとき0は倍数に含めない」とあります。現行の解説でも倍数の列挙に0が入っておらず,また教科書検定では倍数に0が入っていると修正の指示が出ていたのですが,新しい解説で,0は倍数に含めないことが明記されました。
 この件で,先週から今週にかけて,いろいろな記事やツイートが出ました。

 当方の基本的な考え方は,「算数では,倍数や約数を考える際には0を対象としていない」です。このとき,以下の性質が成り立ちます(表記を算数で使用するものに変えれば,倍数・約数を学ぶ子どもたちが帰納的に考えて理解できるものばかりです)。

  • 倍数と約数について,以下の6つは同値
    • aはbの倍数
    • bはaの約数
    • aはbで割り切れる
    • aをbで割ると余りが0
    • \frac{a}{b}を計算すると整数になる
    • 「a=b×整数」と表せる
  • mが,aの倍数のとき
    • そのようなmの最小値はa
    • そのようなmは無限に存在する
  • mが,aとbの公倍数のとき
    • mはa以上
    • mはb以上
    • そのようなmは無限に存在する
  • mが,aとbの最小公倍数のとき
    • mはa以上
    • mはb以上
    • m=aならば,bはaの倍数
    • m=bならば,aはbの倍数
    • aとbの公倍数は,mの倍数
  • dが,aの約数のとき
    • そのようなdの最大値はa
    • そのようなdは有限個
  • dが,aとbの公約数のとき
    • dはa以下
    • dはb以下
    • そのようなdは有限個(上限がある)
  • dが,aとbの最大公約数のとき
    • dはa以下
    • dはb以下
    • d=aならば,aはbの約数
    • d=bならば,bはaの約数
    • aとbの公約数は,dの約数
  • mがaとbの最小公倍数で,dがaとbの最大公約数のとき,a×b=m×d
  • 長方形があり,ある辺の長さが単位長のa倍,隣の辺の長さが単位長のb倍とする。
    • この長方形がいくつもあるとき,敷き詰めによって,単位長のm倍を一辺とする正方形を構成できる.ここでmはaとbの公倍数である(最小公倍数を選ぶこともできる)。
    • この長方形を,単位長のd倍を一辺とする正方形で分割できる。ここでdはaとbの公約数である(最大公約数を選ぶこともできる)。

 上記は,「正の整数(自然数)の間で倍数・約数を定義して,成り立つ性質」です。
 次に,「0以上の整数の間で,倍数・約数を定義して,成り立つ性質」を見ていきます。この段階で,0が3の倍数であるのを認めます。3に限らず,0があらゆる整数の倍数であるとします。ただし小学校の算数に合わせて,整数は0,1,2,…に限定します。0を含む場合の公倍数や公約数は,素朴な方法(0も考慮して倍数・約数の集合を求めること)に基づき,0と整数との最小公倍数や,0どうしの最大公約数は,定義しないこととします。なお,0と正の整数aとの最大公約数は,定義できて,aとなります。
 このときに成り立つのは以下のとおりで,上記よりも減ってしまいます。

  • 倍数と約数について,以下の3つは同値
    • aはbの倍数
    • bはaの約数
    • 「a=b×整数」と表せる
  • mが,aの倍数のとき
    • そのようなmの最小値は0
  • mが,aとbの最小公倍数のとき
    • mはa以上
    • mはb以上
    • m=aならば,bはaの倍数
    • m=bならば,aはbの倍数
    • aとbの公倍数は,mの倍数
  • dが,aとbの最大公約数のとき
    • d=aならば,aはbの約数
    • d=bならば,bはaの約数
    • aとbの公約数は,dの約数
  • mがaとbの最小公倍数で,dがaとbの最大公約数(いずれも定義される場合のみ)のとき,a×b=m×d

 例えば,0の倍数は0のみ(有限個)となる一方,0の約数はすべての(0以上の)整数ですので無限に存在します。また,公倍数が無限に存在することも,公約数に上限があることも,0と0の公倍数・公約数を考えると,成立しないと言えます。
 関連文献を見ておきます。『算数教育指導用語辞典 第四版』*2のp.195には「なお,小学校では0を偶数としては扱うが,発達段階からみて指導上に困難点があるので,0をある整数の倍数として扱うことはしていない。0を整数nの倍数としてみるのは中学校である。」と書かれています。

 倍数・約数の対象として0を取り入れると,上記のとおりいくつもの有用な性質が成り立たなくなるのは,結局のところ「0は倍数に含めない」を支持する方向に進みそうです。

(最終更新:2017-08-19 朝)

*1:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htmから入手できますが,算数編のURLは2017/07/25を含むものに変わっています。乗法の導入のところで,改変がなされていることを,https://twitter.com/takehikom/status/892705568384733185にて報告しました。本日の内容には影響しません。

*2:isbn:9784316802640

0と0の最小公倍数は? 最大公約数は?

 「最小公倍数は、0を除いた一番小さい公倍数とする」が太字になっていますが,少し説明が足りていないように感じました。0と0の最小公倍数について,検討がなされていないのです。
 素朴な考え方では,0の倍数は0のみです。そこで,公倍数の定義により,0と0の公倍数は0のみ(集合で表記するなら{0})となります。そうすると,「0を除いた一番小さい公倍数」は,ありません。
 0と0の最大公約数について,このブログの依拠するところに従うと,こうなります。倍数と約数再び ~正しい理解のために - 身勝手な主張で画像となっている,「2つの整数a,bについて、ある整数kを用いてa=bkと表されるとき、bはaの約数であるといい、aはbの倍数であるという」を根拠として,1は,0の約数と言えます。2も,0の約数です.同様にして,0を含む任意の整数が,0の約数です。
 0と0の公約数は,すべての整数(整数の集合全体)です。最大公約数はというと…「最大」は,ありません。
 「最小」をつけない公倍数や,「最大」をつけない公約数も,小学校で学習するものと少し異なります.小学校で学習する際,aとbの公倍数を小さなものから順に並べていくと,その2つの数よりも大きい数がいくつでも書けますが,0と0の公倍数では,そうはいきません。またaとbの公約数には,上限がありますが,上記のロジックに基づく0と0の公約数は,上限なしです。
 といったわけで,「0と0の最小公倍数」や「0と0の最大公約数」は考えない(定義しない),としたほうがいいのではないかとなってきます。実際,wikipedia:最小公倍数では「0ではない複数の整数の公倍数のうち最小の自然数をさす」,wikipedia:最大公約数では「少なくとも1個が0ではない複数の整数の公約数のうち最大のものを指す」と書かれていまして,0どうしのみは第1文で除外されています。
 「最小公倍数は、0を除いた一番小さい公倍数とする」という断り書きの追加だけでは,不十分ということです。
 ここまでについて,「0どうしの最小公倍数や最大公約数は考えない」を,ルールに書き加えるだけで,よさそうにも見えますが,そういった例外ルールを加えていく一方で,0を取り入れて倍数・約数,公約数・公倍数,最小公倍数・最大公約数を用いる具体的な場面(小学校の算数の範囲でその意義が分かる事例)が提示されていないことから,結局のところ,算数において倍数や約数を考える際,0を対象とする必要性がないように,思えてきます。
 個人的には,算数では「倍数や約数を考える際には0を対象としていない」と「『整数』と書いたときに0を含むか含まないかは,そのときどきで都合良く選ばれる」が基本になっていると理解しています。
 前者に関して,『算数・数学科重要用語300の基礎知識』*1ではp.207に「約数・倍数・素数」の解説がありますが,自然数に限っています*2
 『小学校学習指導要領解説算数編』(平成29年6月)のPDFファイル*3のp.231に書かれた「このとき0は倍数に含めない。」は多くの人が指摘しているところですが,これは「約数・倍数を考える際には0を対象としない」「約数・倍数を考える際の『整数』には0を含めない」と考えればよいことですし,p.232の「0以上の整数全体を二つに類別する仕方を考えていく。0,1,3,4,…を順に二つに分けていくと,1,3,5…の集合と,0,2,4,6,…の集合に分けられる」については,偶数・奇数を考える際には0を対象とするとともに,この場合には「整数」に0が含まれる,と読むことができます。小学校の算数では常に,「整数」は0を含むというのであれば,わざわざ「0以上の」と書く必要がないのです。
 なお,新しい解説より読める,整数に0を含めない他の事項には,「整数を整数で割って商が小数になる場合」(p.187,p189)があります。


 takehikomの名前でこれまで情報発信してきたのは:

*1:isbn:4185007183

*2:自然数」は,同書のp.182によると,「1から始まって,2,3,4,5,…と限りなく続く数を自然数という」と書かれており,0は対象外です。

*3:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm

4×3の式になる問題,3×4の式になる問題

思考力アップ算数 小2

思考力アップ算数 小2

 奥付を見ると,「初版 第1刷 2017年7月1日 発行」とあり,できたての問題集です。次の出題を見かけまして(p.65,答p.17),書店で購入しました。

□の 2つの ことばを つかって,4×3の しきに なる もんだいと,3×4の しきに なる もんだいを つくりましょう。

 作問課題です。与えられた式に合うような文章題を,答えとして書きます。
 原文では□は点線による箱で,横幅は高さの約2倍の長さです。上記の問題文と右揃えで,「あめ,子ども」が,点線による箱で囲まれています。
 解答欄も,あります。答えを見ると,「4×3の しきに なる もんだい」の下には,「1人の 子どもに 4こずつ あめを くばります。3人では あめは 何こ いりますか。」が,また「3×4の しきに なる もんだい」の下には,「子どもが 4人 います。1人に 3こずつ あめを くばると,あめは ぜんぶで 何こ いりますか。」が,それぞれ書かれていました。
 練習問題として,この作問課題と同様のことが書かれた洋書が思い浮かびます。メインブログで[Anghileri 1988] と表記してきた文献で,Luckier! - わさっきより抜粋すると"Give some real-life examples of situations in which a multiplication product a×b (for example, 5×6) is not the same as b×a (6×5)."です。
 上記のような,2つの「もんだい」の対置については,作問から離れ,東京書籍の算数教科書にも載っています。

f:id:takehikoMultiply:20170627051603j:plain

 今回の問題集の「子どもが 4人 います。1人に 3こずつ あめを くばると,あめは ぜんぶで 何こ いりますか。」と,教科書の「えんぴつを 2人に 5本ずつ くばります。えんぴつは,ぜんぶで 何本 いりますか。」は,式で表すとそれぞれ3×4,5×2となるのが期待され,「基準量が後に示された問題」のパターン*1である点にも,注意したいところです。
 ところで2つの作問課題について,答えの「4×3の しきに なる もんだい」と「3×4の しきに なる もんだい」のすぐ右には,赤字で「(れい)」と書かれています。それ以外の正解も考えられる場合に,「(れい)」がつけられています。例えば,「3×4の しきに なる もんだい」の答えは,「1人の 子どもに 3こずつ あめを くばります。4人では あめは 何こ いりますか。」でも良いはずです。
 同じページの「9+9+9+9+9=□×□」では,2つの箱には左から順に9と5が書かれ,ここには「(れい)」がありません。
 かけ算から離れると,8つの図形の中から「長方形は どれですか。」「正方形は どれですか。」と出題して記号を解答させ,その答えとして長方形は1個,正方形は2個となっています(p.88,答p.23).ここにも「(れい)」は,見当たりません.
 「(れい)」の有無には意味があるのに加えて,この問題集では図形の弁別にあたり,「正方形は長方形ではない」というスタンスである*2のが読み取れます。

東京新聞「掛け算の順序論争再燃」から,「順序」の出現箇所を求める

 「2020年度の新指導要領きっかけで 「掛け算の順序」問題再燃」(東京新聞 2017年7月10日朝刊 11版 22・23面)について,独自にテキスト化したものを対象に,「順序」の語が,前後にどのような表現を伴って出現するかを,取り出してみました。KWIC (keyword in context)形式にしています。

 掛け算の 順序 論争 再燃
ては「式に 順序 がある」と
、掛け算の 順序 を肯定する
たためだ。 順序 否定派から
成り立ち、 順序 は関係ない
が掛け算の 順序 を公式に認
せ、『この 順序 で式を書い
×幾つ分の 順序 でも、5×
、掛け算の 順序 も意味がな
西沢氏は「 順序 にこだわる
。掛け算で 順序 を求められ
「掛け算の 順序 を固定化す
 掛け算の 順序 をめぐる論
かけ算には 順序 があるのか
幾つ分」の 順序 と同じだ。
の子には、 順序 を守るよう
、掛け算の 順序 が明記され
幾つ分」の 順序 を容認した
、掛け算の 順序 について直
掛け算には 順序 がある』と
ため」と、 順序 肯定派と同
ると、式の 順序 で「×」と
。掛け算の 順序 を勧める意
向がある。 順序 を強調した
、掛け算の 順序 にこだわる
のどちらの 順序 が正しいと
本質には、 順序 を入れ替え
師の求める 順序 と違うから

 「順序」の左には「掛け算」がよく出現します。なお,上記に「かけ算には 順序 があるのか」というのも見えますが,これは書籍名だからでして,本文では前後にカギカッコがついています。他にもう1箇所,「かけ算」の表記が見られ,これはコメント(カギカッコ内)でした。それ以外は「掛け算」です。
 「掛け算」の前後は,以下のとおりです。

きっかけ  掛け算 の順序論争
で教わる「 掛け算 」。5×4
解説書に、 掛け算 の順序を肯
この問題を 掛け算 の式で表す
 しかし、 掛け算 には「交換
「文科省が 掛け算 の順序を公
は「初めて 掛け算 を習う子ど
の区別も、 掛け算 の順序も意
について「 掛け算 でなく、足
てもいい。 掛け算 で順序を求
尋ねると「 掛け算 の順序を固
本文)   掛け算 の順序をめ
年代には、 掛け算 を学び始め
導Ⅱ」で、 掛け算 の順序が明
解説では、 掛け算 の順序につ
あくまで『 掛け算 には順序が
、子どもに 掛け算 の意味を理
学二年生が 掛け算 を教わる毎
分もある。 掛け算 の順序を勧
を示して、 掛け算 の順序にこ
摘する。「 掛け算 学習の本質
なければ、 掛け算 を教えたこ
メモ)   掛け算 教育の舞台

 「掛け算の順序」の前後は,以下のとおりです。右側の動詞が,この記事の特徴を表していると言ってもいいでしょう。

きっかけ  掛け算の順序 論争 再燃
解説書に、 掛け算の順序 を肯定する
「文科省が 掛け算の順序 を公式に認
の区別も、 掛け算の順序 も意味がな
尋ねると「 掛け算の順序 を固定化す
本文)   掛け算の順序 をめぐる論
導Ⅱ」で、 掛け算の順序 が明記され
解説では、 掛け算の順序 について直
分もある。 掛け算の順序 を勧める意
を示して、 掛け算の順序 にこだわる

 『小学校学習指導要領解説算数編』(平成29年6月)のPDFファイル*1についても,「順序」の出現箇所を取り出してみました。各行の後ろに,ページ番号を添えています。「(p.114)」の行の左側で,「数と乗数の」が3つあるのは,いずれも「被乗数と乗数の順序」の一部です。

数の大小, 順序 と数直線/ (p.12)
する手順を 順序 よく的確に (p.26)
併,増加, 順序 数を含む加 (p.45)
表したり, 順序 を表したり (p.48)
単に指導の 順序 として取り (p.57)
数の大小や 順序 を考えるこ (p.77)
数の大小や 順序 を知り,次 (p.77)
数の大小, 順序 と数直線  (p.78)
数の大小や 順序 ,系列など (p.79)
める場合( 順序 数を含む加 (p.83)
める場合( 順序 数を含む減 (p.83)
を通して, 順序 数を含む場 (p.85)
数の大小や 順序 について理 (p.03)
数の大小, 順序 などについ (p.04)
加法では, 順序 を変えて計 (p.111)
とめたり, 順序 を変えたり (p.112)
うに,表す 順序 を日本と逆 (p.114)
数と乗数の 順序 は,「一つ (p.114)
数と乗数の 順序 が,この場 (p.114)
数と乗数の 順序 に関する約 (p.114)
とめたり, 順序 を変えたり (p.139)
し,大小や 順序 についての (p.149)
に,計算の 順序 についての (p.193)
番目という 順序 数を長さへ (p.205)
つか求め, 順序 よく並べて (p.211)
る値の組を 順序 よく表など (p.212)
ないように 順序 よく数える (p.218)
に着目し, 順序 よく整理す (p.281)
た,文字に 順序 よく数を当 (p.284)
り,文字に 順序 よく数を当 (p.285)
り,文字に 順序 よく数を当 (p.285)
その指導の 順序 や取扱いに (p.300)
得る場合を 順序 よく整理す (p.307)
に着目し, 順序 よく整理す (p.307)
整理して, 順序 よく列挙で (p.307)
得る場合を 順序 よく整理し (p.307)
得る場合を 順序 よく整理し (p.307)
じるような 順序 や組み合わ (p.307)
に着目し, 順序 よく整理す (p.308)
      順序 よく整理す (p.308)
効に働く。 順序 よく調べて (p.308)

 「掛け算の順序」と書いて,その問題(issue)や課題(problem)が分かったつもりにならないよう,引き続き情報収集と整備にあたることにします。

東京新聞「掛け算の順序論争再燃」を読んで思ったこと

  • http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017071002000116.html東京新聞:2020年度の新指導要領きっかけで 「掛け算の順序」問題再演:特報(TOKYO Web),デッドリンク

 この記事について,紙面の複写を得ることができました。東京新聞 2017年7月10日朝刊 11版 22・23面です。Web上で見かける,中日新聞2017年7月13日朝刊記事の撮影画像と異なり,タイトルに「学び始めに必要?」がなく,リードが縦書きになっているなど,見た目の違いもありますが,本文は同じと思われます。Webでは「再演」となっていますが紙面は「再燃」です。「順序」は28回出現します。
 書き方で,気になったところがあります。いずれも後半,芳沢氏のコメントがカギカッコになった箇所です。
 まず「この場合、5×3、3×5のどちらの順序が正しいとも言えない」を目にして,2つの式がともに,正解か不正解か判定できず,にっちもさっちもいかない状況が思い浮かびました。代わりに「この場合、5×3、3×5のどちらの順序のみが正しいとも言えない」と書いてあれば,戸惑いませんでした*1
 もう一つ,「『三つの角が違う二等辺三角形がある』などと授業中に公言する教師までいる」について,三角形を考えるなら,違うところに3つの角がないと困ります。ここは「三つの角の大きさが違う…」としたいところです。なお,「角」と「角の大きさ」の違いについては,新しい解説のPDFのp.158に書かれています。
 書き方から中身に移っていくことにします。芳沢氏のコメントのうち「掛け算学習の本質には、順序を入れ替えても答えは同じという交換法則を理解することがある」に,違和感を覚えました。算数・数学教育で,そんな「本質」を聞いたことがなく,むしろ,演算の対象を整数,有理数(小数,分数),実数,複素数へと拡張していっても,交換法則などが成り立つことを確かめる活動が期待されています。小学校算数の範囲では,(0以上の)整数および有理数に限られ,新しい解説のPDFで関連する記述を,第4学年のp.196,第5学年のp.238,第6学年のp.283より読むことができます。
 まったく異なる情報源で,「かけ算の本質」という言葉が,2015年に復刊された以下の本に出現します。

復刻版 算数・数学教育と数学的な考え方

復刻版 算数・数学教育と数学的な考え方

  • 作者:中島健三
  • 発売日: 2015/07/06
  • メディア: 単行本

 主要な箇所(pp.77-78)を,かけ算の本質(構造)とは~『復刻版 算数・数学教育と数学的な考え方』を読む - わさっきより孫引きします。

上の図式は,A×p(=B)という「かけ算の本質(構造)」を,「Aを1としたときpに相当する大きさを表すこと」,すなわち,「pに比例する」という考えでとらえ,それを「関数尺」として表わしているものである。乗数pが小数,分数の場合は,下側の目盛りで,整数点以外のところをよめばよいということで,その一般化が比較的容易とみられるところに一つのポイントがある。(30×2のようなかけ算を「30の2ばい」といって,いわゆる「ばい」で規定していこうというのは,上の考えにのせていこうということを指していると解してよい。)

 この「かけ算の本質」や,A×pと,かけられる数を大文字のA,かける数を小文字のpと書き分けていることなどは,新しい解説にも取り入れられていますし,昨年の5月,日本学術会議数理科学委員会数学教育分科会が出した提言に見られる「乗法の拡張における割合の意味付けを学習指導要領に明記する」とも関連します(日本学術会議も掛算順序固定派 - わさっき)。
 「順序を強調した教材ばかりになりかねない」で終わる,高橋氏のコメントを見ると,今後(批判者からすると)悪化していくような印象を,読者に与えていますが,これまでの教科書や授業事例を通した,「順序」の使われ方や,理解のされ方について,記事に言及がないのが残念です.
 平成27年度から30年度まで使用される,算数の教科書について,開始の前年度の教科書展示会で見た状況を,平成27年度算数教科書読み比べ - わさっきにて取りまとめています。新しい解説に見られる「4皿に3個ずつみかんが乗っている」と同様の問題設定(基準量が後に示された問題)が,6社どの教科書にも載っていることや,「かけ算では,じゅんじょをかえてかけても,答えは同じになります。」は交換法則ではなく結合法則に関するまとめであることなどを,確認してきました。
 ところで算数教科書は,今年度に検定がなされます。これまでと同じスケジュール*2を想定すると,来年度に我々も検定済の教科書を見ることができ,その次の年度(2019年度)から使用開始となります。新しい学習指導要領の適用年度は,それより後となりますが,とくに低学年の「かけ算」の学習に関しては,現行の教科書などに見られる内容を,新しい指導要領が追認した,と考えることもできます。

 上の段落について,算数を含む小学校教科書の検定年度が間違っていました。新しい学習指導要領に基づく教科書検定は2018年度,採択は2019年度,使用開始は2020年度からです。詳細は小学校の教科書検定は2017年度と2018年度に - わさっきをご覧ください。

 批判の立場にある人々が実名である一方*3で,肯定派は氏名なしというアンバランスさも,読んで残念に思います。また西沢氏のコメントのうち「この例題は4個が5回分と捉えることができ、一つ分×幾つ分の順序でも、5×4、4×5のどちらも正しい。」のところや,「この場合、5×3、3×5のどちらの順序が正しいとも言えない」と書かれた,芳沢氏による問いについて,いずれも「どのような式が考えられるか」にとどまっており,授業で子どもたちに出題し,「どのような式を作ったか」に至っていないのは,批判や,それをもとにした東京新聞中日新聞掲載記事が,学校現場からかけ離れた認識であるように思えてなりません。一つの出題に対して,かけられる数とかける数とが反対になる,2つのかけ算の式を比較している授業の例として,http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20130219/1361220251#2にリンクしておきます。


(2020年7月追記)
 東京新聞の算数教育批判記事は,2018年4月にも出ています。複写を取り寄せ,思ったことを書きました。

 またhttps://twitter.com/tokyobunkabu/status/1278558301005860865によると,2020年7月2日付の東京新聞夕刊文化面に,西沢宏明氏の寄稿が掲載されたとのことです。記事全文をtwitterで見ましたので,思ったことを書きました。

*1:ただし、「A地点にたどりつくと、道は5つに分かれる。そのどの道を進んでも、途中からは道は3つに分かれ、どの道に進んでも『行き止まり』になる。A地点から『行き止まり』まで、全部で何通りの道があるか」という問いを,小学校低学年の子どもたちに与えて取り組んでもらうことの是非については要検討です。

*2:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/010301.htm(Q4の回答に,検定・採択の周期の表があります),http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kentei/1369049.htm

*3:記事本文に「一方」が3回,「指摘」が3回出現し,いずれも否定派を利する使われ方です。