かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

4×3の式になる問題,3×4の式になる問題

思考力アップ算数 小2

思考力アップ算数 小2

 奥付を見ると,「初版 第1刷 2017年7月1日 発行」とあり,できたての問題集です。次の出題を見かけまして(p.65,答p.17),書店で購入しました。

□の 2つの ことばを つかって,4×3の しきに なる もんだいと,3×4の しきに なる もんだいを つくりましょう。

 作問課題です。与えられた式に合うような文章題を,答えとして書きます。
 原文では□は点線による箱で,横幅は高さの約2倍の長さです。上記の問題文と右揃えで,「あめ,子ども」が,点線による箱で囲まれています。
 解答欄も,あります。答えを見ると,「4×3の しきに なる もんだい」の下には,「1人の 子どもに 4こずつ あめを くばります。3人では あめは 何こ いりますか。」が,また「3×4の しきに なる もんだい」の下には,「子どもが 4人 います。1人に 3こずつ あめを くばると,あめは ぜんぶで 何こ いりますか。」が,それぞれ書かれていました。
 練習問題として,この作問課題と同様のことが書かれた洋書が思い浮かびます。メインブログで[Anghileri 1988] と表記してきた文献で,Luckier! - わさっきより抜粋すると"Give some real-life examples of situations in which a multiplication product a×b (for example, 5×6) is not the same as b×a (6×5)."です。
 上記のような,2つの「もんだい」の対置については,作問から離れ,東京書籍の算数教科書にも載っています。

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 今回の問題集の「子どもが 4人 います。1人に 3こずつ あめを くばると,あめは ぜんぶで 何こ いりますか。」と,教科書の「えんぴつを 2人に 5本ずつ くばります。えんぴつは,ぜんぶで 何本 いりますか。」は,式で表すとそれぞれ3×4,5×2となるのが期待され,「基準量が後に示された問題」のパターン*1である点にも,注意したいところです。
 ところで2つの作問課題について,答えの「4×3の しきに なる もんだい」と「3×4の しきに なる もんだい」のすぐ右には,赤字で「(れい)」と書かれています。それ以外の正解も考えられる場合に,「(れい)」がつけられています。例えば,「3×4の しきに なる もんだい」の答えは,「1人の 子どもに 3こずつ あめを くばります。4人では あめは 何こ いりますか。」でも良いはずです。
 同じページの「9+9+9+9+9=□×□」では,2つの箱には左から順に9と5が書かれ,ここには「(れい)」がありません。
 かけ算から離れると,8つの図形の中から「長方形は どれですか。」「正方形は どれですか。」と出題して記号を解答させ,その答えとして長方形は1個,正方形は2個となっています(p.88,答p.23).ここにも「(れい)」は,見当たりません.
 「(れい)」の有無には意味があるのに加えて,この問題集では図形の弁別にあたり,「正方形は長方形ではない」というスタンスである*2のが読み取れます。