かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

小学校2年生の文章題のテスト

 文章は「ある学校で行った小学校2年生のかけ算の単元テストの結果を見ていきたいと思います」で始まります。塾経営者が,学校でテストを行ったというのには,驚きましたが,https://blog.yuugakujyuku.com/のプロフィールに「小中学校の非常勤講師をしながら」とあるので,そこの関係で実施したと判断しました。
 8つの問題と,誤答分析を読んで,感じたのは,「かけ算の単元テスト」と呼ぶには的が合っていない,ということです。
 「文章題の単元テスト」だったら,良かったのでしょうか。
 しかし「ぶんしょうだい」といった単元が,2年の算数にあるようにも思えません。各教科書会社のWebサイトで公開されている「単元一覧表」「年間指導計画作成資料」などをざっと見ていくと,1時間程度の配当です。例えば啓林館のhttps://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sho/text_2020/sansu/file/sansu_unit_list_second02.pdfによると,「11. かけ算(2)」という大単元の中に「2. かけ算を つかった もんだい」という小単元があり,具体的な内容は「・乗法と加法,減法の組み合わさった問題」で,今回のテストと密接に関係します。時間の欄の「11」は,この小単元で11時間をとるのではなく,大単元13時間のうち「11時間目」であることが読み取れます。結局のところ,かけ算の学習の中の1時間だけということです。
 その学習を踏まえた上でのテスト実施であっても,「単元テスト」として8問を課すのは,よく配慮された問題構成であるように思えないのです。
 後半になると,疲れてきたり,ケアレスミスを起こしたりしやすくなります。また問題文に対して解き方や答えを書く欄が狭いように見え,第2問はよく考えずに図示を試みると,第6問にはみ出てしまう可能性も想定できます。
 第2問には「多く」と「おおく」,第4問には「まんじゅう」と「おまんじゅう」の混在が見られ,第8問の2行目の末尾に句点が欠落しています。それらは誤答に影響しなかったと思われますが,出題の質を疑う要素となります。
 実際に授業をしている先生方と協議をしてから,出題・分析し,学会や自治体の教育センターなど,適切なところで成果公表をすれば,反応も違っていたように思われます。