上記のページは,https://twitter.com/golgo_sardine/status/1131157347747811330より知りました。
さて,スクリーンショットより読み取れる文章題は,「おさらにリンゴが5こあります。おさらが9つあるとき、リンゴはぜんぶで何こありますか?」と「ケーキ1つにいちごが4こずつのっています ケーキは8つあります いちごはぜんぶでなんこありますか」で,いずれも,先に出現する数字がかけられる数(単位量,いくつずつ),あとに出現する数字がかける数(いくつ分)となっています*1。正解となる式は,順に5×9と4×8です。
リンゴの文章題については,9×5の式にしたとき,スクリーンショットだけでなく,絵の見方と,児童の反応が記されていました。
もし、かけられる数とかける数を逆に答えてしまった場合はどうなるか?
かけられる数が9、かける数が5と指定したので、式は9×5。それに対応する絵は、リンゴの上におさらが9個のっていて、そのリンゴが5個ある絵になり、プリントで設計した絵とは異なってしまう。児童にとって、この絵は驚きであった。9×5と5×9は意味が違うことが視覚的にわかる瞬間である。
これと同様の解釈は,1951年のhttps://erid.nier.go.jp/files/COFS/s26em/chap5.htmにおける「3は人数を表わしている数である。それを2倍した答の6は何といったらよいか尋ねてみる。それで,6人となって問題の要求に合わないことを説明する。」のところや,Vergnaud (1988)の"Twenty dollars cannot be 5 cars + 5 cars + 5 cars + 5 cars."の文*2,そして2003年に出版された『板書で見る全単元・全時間の授業のすべて 小学校算数2年〈下〉』の「5台ずつが4つ」より,見ることができます。
戦後すぐ,昭和の終わり,平成の途中,そして令和に元号が変わっても,異なる情報源から共通した「式の読み」を,得ることができたのでした。
メインブログ(わさっきhb)の記事にリンクしておきます。
- 本記事のタイトルに入れた「積は皿の枚数になってしまう」は,かけ算の順序論争について(日本語版)でB-4としてラベリングした不正解理由です。「5台ずつが4つ」を含む画像も,貼り付けています。
- 算数・数学の問題文で,出現する数などをひっくり返して書くことが意図された出題の事例は,かけ算の順序を問う問題と順序を問う問題で集約を図ってきました。
- 小学2年の児童を対象とした,かけ算とは別のプログラミング教育の例を,小学校のプログラミング教育も,正解は一つではないで取り上げています。2年の算数で学習する用語の一つは,「直角」ですが,Scratchのプログラムでは「90どまわす」の形で,直角を伴う操作を実現しています。
「ベネッセ」や,冒頭のページの背景説明に出現する「割合」「立式」に関しては,次のページが興味深いです。
メインブログで,httpsではなくhttpのほうのURLをリンクし,関連情報を入れながら,一つの記事にしていました。
*1:本文の後ろのほうには,「また、九九の計算はできなかったが、文章題の立式では、事前テスト30から、事後100になった児童がいた。その児童は、別の単元テストで「おさらが3つあります。おさらにはいちごが8個ずつのっています。いちごは全部で何個ありますか。」という文章問題でも、8×3と正しく立式できていた。この児童は、通常であれば、立式を間違えてしまうのに、今回正しく立式していたので、丸山先生自身も驚いていた。」と,かける数が先に出現する文章題も書かれていました。