編著者名だけで「TOSS」を連想します。ただし表紙やカバーには明記されていません。まえがきに「プロ教師・向山洋一氏」が出現します。「TOSS」という語の初出は,最初の授業の下部の情報BOX(p.12)です。また「小学1年~3年」の本は,https://www.amazon.co.jp/dp/4909783903によると予約受付中です。
本を開いて見ていくと,1ページが1項目で,教える内容や「教室での語り」「語りのポイント」などがレイアウトされています。大部分のページは図入りです。タイトルのすぐ下に,「原実践者」「ライター」の氏名が書かれているのも興味深いです。
高学年の算数ということで,二重数直線をどのように扱っているかを調べてみると,ユニークな図の描き方と命名がなされていました。
「(56)文章題をハンバーガーで解く」(p.67)では,「1m80円のリボンを2.3m買った時の代金」に対し,数直線に矢印を乗せた図式を「ハンバーガー方式」と称しています。このページの「語りのポイント」には,「木村重夫氏は(略)ハンバーガーとした。この絵を子どもに見せてハンバーガー方式と教えたい。」としているほか,p.71では小数のわり算に対して,ハンバーガー方式を解説しています*1。
この本の図ではなく,「二重数直線で解く」をリリースで作成した図をアレンジすることにします。アレンジ前のスライドは,以下のものです。
これを「ハンバーガー方式」に置き換えると,次のようになります。
上の矢印は,PowerPointのメニューの[挿入]>[図形]>ブロック矢印の[矢印: 下カーブ]で挿入しました。
「語りのポイント」の中のハンバーガーの絵は,こうです。
とはいえ,ブロック矢印で描くことは,ハンバーガー方式の本旨ではないはずです。最初に挙げた(昨年作成した),普通の線による矢印でも,見方によってはハンバーガーを得ることができます。二重数直線のバリエーションとして,動向を見守ることにします。
連想するのは,さくらんぼ計算:
さくらんぼ計算(さくらんぼけいさん)は竹森正人が第1回向山型算数研究会セミナー(TOSS)で発表した、くり上がりのあるたし算の計算過程を学習させるための手法[1]。
さくらんぼ計算 - Wikipedia
切り出した4つの要素のうち,左下の「forward up-over-ten」について,描き方は異なりますが,やっているのは「さくらんぼ計算」と同じです.そして「L IV」はレベル4のことで,1位数(9まで)のたし算の方略の中で最高レベルに位置づけられています.
さくらんぼ計算,加法方略の発達モデル,Fuson (1992) - わさっきhb