かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

みはじ批判(1): 『動画でわかる算数の教え方』(2022)

こんな指導,していませんか
 道のり,時間,速さの関係を「み,は,じ」といった用語での公式暗記に特化した指導をしていませんか。(略)
T 6kmを2時間で歩きました。速さを求めましょう。
C 「み÷じ」なので,6÷2=3で,時速3kmです。
T 時速3kmで2時間歩きました。道のりを求めましょう。
C 「は×じ」なので,3×2=6で,道のりは6kmです。どちらも同じ,時速3kmを使っていますね。
(p.122)

 「速さ」の指導や対話(Tが教師,Cが児童)に関して,要改善(と著者が考えているのが読み取れる)の記述を抜き出しましたが,同じページで引用しなかった箇所は,「速さ」の指導のあるべき姿のように見えます。「よくない指導」と「望ましい指導」とを分けて書かれてあれば,読みやすかったのにと感じました。
 なお,p.118にも「比べる量,もとにする量,割合を「く・も・わ」と置いて,くもわの図に数値を入れて割合の計算をするといった,形式的な指導をしていませんか。」と書いて疑問を投げかける文がありました。

「みはじ批判」について

 算数の,実際の指導に携わる方々の著書では,「はじき」「みはじ」「くもわ」は批判の対象であり,速さや割合はどのような指導が望ましいかを述べるためのマクラとして使われているように,前々から思っていました。
 当ブログで,書籍や該当箇所を取り出し,検索しやすくすることを試みました.
 基本的に1記事につき1情報源を取り上げます。各記事の見出しに,(1),(2), ...と通し番号を振りますが,番号の前は「みはじ批判」だったり「くもわ批判」だったりと,情報源に記載の内容にする予定です。