かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

330日×5日

 先月末に,天王寺駅で見かけたポスターの下半分です。奈良線六地蔵駅の駅舎移転に伴い,駅間が100m変わって運賃値下げになる場合の扱いを書いています。2023/4/1から、六地蔵~山科間のJRと地下鉄の運賃が逆転します - 全国交通ニュースブログでは,六地蔵~尼崎や六地蔵~山科の運賃値下げの事例が紹介されています。
 表示されているうちの,定期乗車券の金額計算には,ひき算・かけ算・わり算が含まれていました。囲みの中を拡大表示させ,書き出します。

現行運賃の5日分相当 9,900円 ÷ 30日(1ヶ月を30日とする)=330円
          330日 × 5日(改正日以降の有効期間)= ①1,650円
改定運賃の5日分相当 7,260円 ÷ 30日= 242円 242円 × 5日= ②1,210円
払いもどし差額   ①1,650円 - ②1,210円 = 440円(払いもどし額)

 「9,900円」「7,260円」はそれぞれ,改定前後の通勤1箇月定期券の金額と思われます。1ヶ月を30日として日割り計算を行い,改正日以降の有効期間(日数)をかけて得られる金額が,改定前は①,改定後は②で,差し引きして440円が,払いもどし額とのことです。
 2行目に単位の記載ミスがあります。「330日」のところは「330円」としないと,意味が通りません。
 このように読み替えると(そしてカッコ書きや丸囲み数字を除くと),2つのかけ算は「330日×5日=1,650円」「242円×5日=1,210円」,2つのわり算は「9,900円÷30日=330円」と「7,260円÷30日=242円」です。
 2回ずつ出現する「330円」と「241円」は,いずれも1日あたりの金額なので,それぞれ「330円/日」と「241円/日」にしても良さそうですが,かけ算の式を「1つ分の数×いくつ分=ぜんぶの数」に当てはめて解釈すれば,「/日」なしでも支障ありません。