「100円の10%」を求めるとき,問題文の与え方によって,かけ算の式は「100×0.1」「0.1×100」になるのを,図示してみました。
それぞれの文章題は以下のとおりです。
- 左: 税抜き100円の商品について、税率が10%のとき、この商品の税額は何円ですか。
- 右: 商品価格1円当たり0.1円の税金がかかるとき、税抜き100円の商品の税額は何円ですか。
表の構成が,図の左右で異なります。左は,「税率」と「税額」の2行です。この表の右の列の「1」「100」は,「税率が1(100%)なら,税額は100円」であることを表します。なおパーセントの変換(10%が0.1となることなど)は式に入れず,立式より前に行う操作とみなします。「0.1」と「10」の列は,結果として「税率が0.1(10%)なら,税額は10円」なのですが,この「10」を求めるには,「税率が1から0.1になるのは『0.1倍』であり,税額も100から『0.1倍』すればよい」と考え,式は100×0.1=10,答えは10円となります。
図の右の表は,「価格」と「税額」の2行で構成しています.「1」「0.1」の列は,「商品価格1円当たり0.1円の税金がかかる」を表します。その右の列とのつながりは,「価格が1から100になるのは『100倍』であり,税額も0.1から『100倍』すればよい」と書くことができます。式は0.1×100=10,答えは10円です。
それぞれの表で,矢印と「×0.1」「×100」を横方向,言い換えると同じ種類の量の間で配置しています。縦方向に矢印を入れることも,可能です。例えば右の表について,1のマスから0.1のマスへ,100のマスから10のマスへ,矢印を入れて,どちらにも「×0.1」を添えるのが,一つの案です。このとき,右の列に着目すると,100×0.1=10という式になります---図の左と同じ式です!
関連情報をいくつか示します。「●が▲倍になるとき,★も▲倍」というのは比例の考え方(proportional reasoning)と呼ばれ,かけることの本質で詳しく解説しています。2行の表において横方向・縦方向の2種類の矢印と倍率を示した事例は,24=2×10+4で紹介しています。単位を付けて書くと,図の左側は100円×0.1=10円,右側は0.1円/円×100円=10円と表せますが,それぞれ,第2用法 - わさっきhbに書いた「xg×0.2=yg」「0.2g/g×xg=yg」と対応します。
本記事はhttps://twitter.com/murakauua510/status/1728366237380706582から始まる一連のポストを整理し直したものです。