かけ算の順序の昔話

算数教育について気楽に書いていきます。

作家兼小学校教師の,かけ算の意味の教え方

 ページタイトルの上を操作することで音声再生ができます。主要なところを,書き出してみました。

  • 01分39秒ごろから

文章題,あるじゃないですか。例えば,
4人乗りの,じゃなくてね,あの,
車が,6台あります。
1台それぞれ,4人乗りです。
さ,全部で,何人乗れるでしょうか。

  • 02分01秒ごろから

数の順番が,6と4(と)出てくるのに,
6×4ではなくて,
答えは,4人の,6台分だから,
4×6ですよね。

  • 03分32秒ごろから

「6×4」の,絵,かいてあげるって言って(笑い声),
自分がね,大人側がね,
6×4バージョンのね,絵,かいてあげるんすよ。
4人のね,人に,の上に,
6台が,降り積もって,
一人ひとりがね,潰されてる絵,かくんですよ。
そしたらね,子どもめっちゃ,笑いますよね(笑い声)。

 過去の記事より,類例を見ておきます。

(略)
 リンゴの文章題については,9×5の式にしたとき,スクリーンショットだけでなく,絵の見方と,児童の反応が記されていました。

もし、かけられる数とかける数を逆に答えてしまった場合はどうなるか?
かけられる数が9、かける数が5と指定したので、式は9×5。それに対応する絵は、リンゴの上におさらが9個のっていて、そのリンゴが5個ある絵になり、プリントで設計した絵とは異なってしまう。児童にとって、この絵は驚きであった。9×5と5×9は意味が違うことが視覚的にわかる瞬間である。


(略)画像の見方を説明します。「自動車が5台あります。タイヤの数はいくつでしょうか」という問題から始まります。「1台にタイヤは4本」を,クラス内で共有したのち,正解となる式は「4×5=20」です。
 ここでもし,「5×4」だったら,5つのタイヤがついて「五輪車が4台」となる図や,家に車が入った「5台ずつが4つ」という図が現れます(板書は容易ではなく,先生が紙に書くなどして用意しておく必要があるでしょう)。いずれも,問題に合っていません。

 絵にあらわすと意味が変わるのが分かるという授業例としては,asahi.com(朝日新聞社):2×8ならタコ2本足 - 花まる先生公開授業 - 教育が知られていますが,タイトルにもあるとおり「タコ2本足」という解釈です。【知らんけどラジオ】の「4人の人に6台」は,理由の分類の2017年5月の画像のうち,B-4に該当するのに対し,2×8ならタコ2本足は,B-3を,面白おかしく描いた内容となっています。